大工おすすめDIYに便利な小道具 3選

DIY

これらがあればもっと作業がスムーズになるよ!

今回はDIYにも便利な大工も使う小道具3つについて解説していきます。

 

本記事の内容

  • 鑿(のみ)
  • 播金(はたがね)
  • スコヤ

大工歴25年なので信憑性はあると思います。

鑿(のみ)

鑿(木材用)は木材に穴を穿(ほじ)ったり彫刻したりするのに用いる刃と柄からなる道具で、刃の付いた先端の太い部分を「穂先」といい、細くなっている部分を「首」といい、柄と金属部分を繋ぐところを「口金」(くちがね)と言います。

 

家大工では今じゃそんなに使うことが無くなりました。現代の新築住宅の在来工法は骨組み構造材加工は「プレカット工法」といって、住宅建設に用いられる木材を工場であらかじめ機械で加工しておいて、現場ではほぼ組み立てるだけという工法になりました。なんだか寂しい。なので機械が裁断加工して出来上がったものが現場に運ばれてきます。

 

昔は「墨付け」といって大工職人が木材に加工をするための目印をつけてそれらを職人が手作業で加工して組立てていたんですけどね。その手作業で加工することを業界用語で「切り込み」とか「刻み」と言い、手鋸や鑿、鉋の使い方や研ぎ方なんかを学んだものです。親方は一斉教えてくれませんでしたけどね。見て覚えろの世界です。

 

 

そもそも刃物系の道具は最初は一斉使わせてもらえません。弟子入りから少なくとも3年くらいは、材料運びと掃除、雑用だけです。その下積み期間の間に見て覚えて、いざ「やってみろ」の親方からの一声で、うまくできなければまたずっとやらせてもらえませんでした。

 

人によっては下積み期間が5年とかもっとかかる人とかもいて人それぞれです。自分は3年程でした。なので自分は常に職人の作業を盗み見ながら本番に向けてのイメージトレーニングをして、掃除や材料運びその他の雑用仕事をしていたのを覚えています。

 

使い方を間違えれば怪我をする恐れもある鑿を十分理解していきましょう。

種類

鑿(のみ)には大きく分けて「叩き鑿」と「突き鑿」の2種類からなります。一般的に鑿と言えば「叩き鑿」を示すので、こちらを解説していきます。

 

「叩き鑿」とは読んで字のごとく玄能(げんのう)で叩いて使う鑿のことを言います。柄の先端の叩くところには割れ防止の金具「かつら」が付いています。

 

使っていくうちにこのかつらを叩きすぎてグラグラしてきます。そうなると割れてきたり、刃先に力がスムーズに伝わらなくなるので、少しでもカタついてるなと思ったときは仕込みなおしたほうがいいです。「かつら」の仕込みは別記事で解説していますので興味のある方は、そちらを見てみてください。

 

購入した段階では「かつら」は仕込まれていませんので、自分で仕込んでいきます。セットで購入したらすべて仕込んでしまったほうがいいです。これが結構手間がかかるので一気にやってしまったほうがいいです。

 

鑿の呼び名は穂先の部分の大きさ「刃幅」で呼びます。10本セットの場合だと図のようなサイズになります。

叩き鑿 サイズ表
分(ぶ) ㎜(ミリ) 寸(すん) ㎜(ミリ)
一分 3㎜ 一寸 30㎜
一分五厘 4.5㎜ 一寸二分 36㎜
三分 9㎜ 一寸四分 42㎜
四分 12㎜
五分 15㎜
六分 18㎜
八分 24㎜

初めて揃えるなら単品とか3本セットとかもありますので、用途にあった本数、刃幅を選ぶといいとおもいます。自分的に最初は三分、五分、八分の3本セットがあればいいと思います。ちなみに自分が仕事で一番使うのが八分鑿でいろんな場面でちょうどいい刃幅です。


千吉銅賞 追入のみ 3本組 木工用

 

 

 

使い方

穂先を材料にあてがって、かつらの下を手でしっかりと握ります。かつらに玄能の平らな面をあて、のみの軸と玄能の柄が直角になる姿勢をとりましょう。そこから手首を用いて玄能を振り上げ、まっすぐ振り下ろしてかつらを打撃します。

 

経験上からいうと、かつらの下の木の柄の部分を手で握るときに軽く握って叩くとぜんぜん刺さっていきませんので、握る強さが強いほど力の伝わりが大きくなります。その力の入れ具合の強弱で調整しながら使っていきます。自分は長時間鑿を使うときは重い玄能「だるま玄能」を使ってます。

 

鑿は、繊細な手作業によってさまざまな切削加工を行うことができる便利な大工道具です。使いこなすことができれば、作業の幅がぐんと広がります。

研ぎ方

研ぎ方は右利きの方の場合オーソドックスなのは、左手は人差し指と中指の先で刃先を押えて研ぐやりかたで、右手は柄を握り砥石に対して平行にスライドさせて研ぎます。慣れてきて要領さえわかってしまえば抑え方にきまりはありません。

 

このときに左手の人差し指と中指で刃先を抑え砥石に押し込みながら右手をスライドさせ、ストロークは刃の適正角度の30°をキープしながら、前後にスライドさせます。この角度が崩れると上手く研げません。自分は上手く研ぐのに2年くらいかかりました。最初から上手く研げる人はいませんので慣れです。

 

砥石の上でスライドさせていくうちに、黒っぽい液体が滲みでてきます。よくそれをすぐに水をかけて砥石をきれいにしてまた研ぎ始める方がいますが、やめたほうがいいです。その黒い液体こそが「研ぎ汁」といって研磨を円滑にしてくれます。

 

その研ぎ汁が乾いて硬くなってくるのですが、その時は水を少し垂らしてヌルヌルにしてその研ぎ汁で滑らせて研ぐことをおすすめします。最初は「汚いっ!」と思うかもしれませんが、諦めてください。笑 研ぎ汁こそが研磨の要です。

 

 

研ぐコツはとにかく角度を保ちながら前後にスライドです。ここさえ守ればそれなりに研げます。最初はゆっくりでいいので角度キープの前後スライドを意識してやっていくといいです。自分は過去に鑿研ぎで怪我をしたことが一度もありません。

 

鑿を一本研ぐのに結構な時間がかかり疲れます。なので鑿を使ってて刃こぼれしたときは泣きそうになります。笑 でもやらなければ上達しないので恐れずぶっ叩きましょう!

播金(はたがね)

「クランプ」とも言われ材料同士を挟み込み固定するために使用します。これは自分も仕事柄よく使うもので、汎用性がとても高いです。自分がよく使うシーンは一般住宅の室内のドア枠を取り付ける時に柱と枠を抑えて「水平レベル」と「下げ振り」(垂直)をみるときによく使います。

 

その他にも加工する材料を作業台に固定するのに使ったり、接着する2つ以上の材料を挟み締めたりして使えます。最低でも2つ以上あれば便利かと自分は思います。

種類

  • F型クランプ
  • ラチェットバークランプ
  • ハタ金

自分が一番多く持っていて、木工ではじめてクランプを購入する場合は「F型クランプ」がいいです。「L型クランプ」とも言われ、ハンドルがついている部分をスライドさせることができるので、どんな幅や厚みの材料もすぐに締めつけられる利点があります。


バクマ ワンタッチパワークランプ 200×80 PL-200

 

 

 

 

 

「ラチェットバークランプ」というのは、「クイックバークランプ」などとも呼ばれ、長い物を素早く簡単に固定できクランプ部を差し替えることにより材料の締め付けだけでなく、押し広げることも可片手でレバーを握るだけで簡単に締め付けられます。空いた手で材料を押さえながら作業できるので、しっかり固定できます。ボタンを押せばスライドするので固定作業が素早く簡単に行えます。


イーバリュー(E-Value) クイックバークランプ ERC-300M 素早く簡単に固定 奥行48×高さ20.5×幅3.3cm

 

 

 

 

 

「ハタ金」は板の重ね切りの際や板のつなぎ合わせの際ののり止め押えに最適で、締付け力の微調整が可です。小物の薄板加工の仮止めや鋸挽きなどの切断作業。接着やねじ止めの固定。額縁等の組立作業の固定などにも使います。


SUN UP 真鍮ハタ金 2本組 300mm

 

 

 

 

使い方

F型クランプは、まず腕をスライドさせ、挟み込む対象の厚みや大きさに大まかに合わせ、腕が長いものほどより大きなサイズの材料を挟むことが可能です。対象を挟みこんだらハンドルを回転させボルトを締めつけます。すると圧力がかかり、しっかりと固定されます。個人的には一番使いやすいです。

 

ラチェットバークランプは、レバーを繰り返し握ると材料を挟み込みしっかりと締め付けます。固定を解除する場合はグリップ部分にある、ロック解除ボタンを押します。するとワンタッチで圧迫が一気に解放されてレバーのある部分が自在にスライドできるようになります。これもひとつはあったほうが便利かなと思います。

 

ハタ金は、他のクランプ同様、材料を挟み込んでねじまわしで締め付けていきます。個人的には一番持ってる数が少ないです。よく木工屋や建具屋でよく見かけます。大きさが一番多い播金になります。長いもので1200㎜とかもあり、短いので180㎜と長さが豊富です。

スコヤテキスト

比較的小さいものの直角測定や寸法測定に用います。あらゆる加工の直角精度の測定用で、ケガキ作業に使用します。

種類

  • 完全スコヤ
  • 平型スコヤ
  • 止型スコヤ

完全スコヤは、直角かどうかの測定に使用し木工造作でよく使われる道具です。知り合いのどこの作業場に行っても必ずひとつはある道具のひとつです。小型の家具やちょっとした工作物によく使います。


シンワ測定(Shinwa Sokutei) 完全スコヤ cm目盛 15cm 62009

 

 

 

 

平型スコヤは、内外の直角を利用した加工・測定や製品(材料)の直角検査に使用します。全体がフラットなので平面上での直角度の測定に最適です。あらゆる加工の直角度測定、ケガキ作業に便利な平形直角定規で目盛りなどはついていません。


TRUSCO(トラスコ) 平型スコヤ 150mm JIS2級 ULD-150

 

 

 

 

 

止型スコヤは、枠組みの45°合わせ、加工材料の直角確認に使用します。45°、90°、135°の角度出しケガキ作業、線引き作業が簡単にできます。留めの仕口の墨付けに自分は良く使います。


シンワ測定(Shinwa Sokutei) 止型スコヤ 62081

 

 

 

 

使い方

今回紹介したいのは、「完全スコヤ」で直角精度は「指矩」(さしがね)より精度が高いです。一般的によく使用されるスコヤでL字の形のやつです。90°と角度確認とケガキ線を引くことができ、妻手を基準面にしっかりと当てて使います。

 

スコヤの内側の目盛りで測定する場合、角に逃げ穴がついているスコヤだと、材料の角にあたらないように測定することができるのでガタツキがおこらなくなります。逃げ穴がないとガタツキがおこり測定しにくくなる場合があります。

まとめ

今回ご紹介した便利な道具3つですが、DIYをやっていくうちに必ずと言っていいほど必要になってくる道具なので、早めに揃えて使い慣れていくことをおすすめします。一気に揃えるのは大変なのですこしずつ増やしていくのもいいと思います。

 

個人的には「播金」は最初の段階で必要になってくるものなので、早めに揃えることをおすすめします。自分の作業場と工具箱、車には必ず入っているものなので、自分には無くてはならないものになっています。興味のある方は是非試して楽しいDIYライフを送っていただきたいです。この記事が誰かのお役に立てれば幸いです。

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