大工が思うDIYでこれがないと始まらない【作業台】 

DIY

ある程度道具はそろえたけど、なにから作っていいのかわからない・・・。

今回はこんな疑問に答えていきます。

 

本記事の内容

  • まずは作業台!
  • 材料

現役大工歴25年なので信憑性はあると思います。

簡易作業台

まずは何を作るにせよ欠かせないものがあります。それが作業台です。自分は必ず車にワンセット積んであります。これを忘れてくると地面での作業スタートになり、やる気度数0.3から始めることになります。(やる気度数MAXは10です)

 

自分の家には2セット置いてあり、現場で必要になった仕上げ材などを作って現場に持って行ったりしています。「わざわざ作業場で作らなくても、現場で作ればいいじゃん」って思ってる方もいると思いますが。だいたい持ち帰って作る物は塗装までしなければならない仕上げ材を作るときです。

 

仕上げ材に塗装をしなければならないとなると、現場では空気中に無数の塵が舞っています。肉眼では見えずらいですが、日が暮れて投光器で現場を明るくしたときにかなりの塵が空気中に舞っているのが見えます。そんな現場で塗装をすると、いくらエアガンで塗装する材料に吹いても次から次と塵が材料に降り注ぐため、そのまま塗装しても細かい塵のブツブツが材料と塗膜の間に入ってしまい絶対にうまく仕上がりません。

 

そんな時でもなにをするにも作業台は必須アイテムです。普通にネットでも売っていますが、自作の場合の利点は個人の背丈に合わせて作る、つまり自分だけの作業台で効率よく作業できるためです。

よく自分も作業台を忘れる時があったり、現場で2つ以上の作業台が必要な時に人から借りるときがあるのですが、その貸してくれた大工の背が低い場合、腰がぶっ壊れそうになります。職人も個人個人のオリジナル作業台のため、高さがバラバラです。なので背の低い職人から借りると、当然作業台の高さも低くなり、自分の身長は六尺六厘(182㎝)のため、ほぼ前屈状態で作業しなければならなくなり腰が終わります。

 

そんな地獄を味わわないためにも自分の身長にあった作業台を作ることをおすすめします。その自分にあった作業台の高さはどのくらいにすればいいのかというと経験上、【身長ー110㎝=自分に合った高さ】の作業台になります。

 

これは自分の経験を元にした求め方なので、足が短かすぎるとか、胴が長すぎるとか、顔がデカすぎるという方は、両手の力を抜いてまっすぐ立っていただいて、地面から指先までの高さが作業台の適正高さになります。大抵のひとは人差し指が一番地面から近いと思われるので、地面から人差し指の先端の高さがその人の作業台の適正高さとなります。

 

人によっては「ちょっと低いんじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんが、これには理由がありまして、経験上作業をするときの視点が作業対象からみてやや高めのほうがいいからです。

 

作業をするときの基本は、その作業対象を見上げながら作業をするというのは重力に反しながら作業を行うことになり、微妙な力加減を有するときに精度が著しく低下します。そのため姿勢としては見下ろす状態で作業をすることをおすすめします。

 

こういったことを踏まえてマイオリジナルワークベンチを作ってみましょう!

 

材量

材料は「コンパネ」3枚です。コンパネというのはコンクリートパネルの略称で、厚さ12㎜、幅900㎜、長さ1800㎜の合板のことをいいます。本当はコンクリート打設のときの型枠に使われる材料なのですが、建築現場では他にも幅広く使われている建材です。

 

コンパネ以外の合板でも作れることができます。他の材料としては「構造用合板」というもので、これはうちら大工がよく使う材料のひとつで、主に壁と床下地によく使います。これはコンパネより少し高価で重さもコンパネより重いです。耐久性と強度も構造用合板のほうが上です。

 

コンパネより構造用合板のほうが硬いため、チップソーの切れ味が悪くなるのも構造用合板のほうが早いです。その辺はご自身でご検討ください。その他には針葉樹合板などがありますが水に弱く、くるいやすいのでおすすめしません。

作り方

作り方は図を参考にしてみてください。この図は自分の身長に合わせた図面ですが、足の部分や差し込み切り欠き寸法はそのままでも大丈夫です。

 

ちょっと解りにくいかもしれないですけど、900㎜×1800㎜の一枚の図だと思ってください。赤い点線がカット線になっていて、青い点線は任意の形でくり抜いても、くり抜かなくてもいいです。ここをくり抜くと、作業台を持ち運ぶときに軽くなるのと、持ちやすくなります。人によってくり抜き方が様々で、真四角だったり円だったりと様々です。

 

ほんと見ずらくてすみませんが、中心基準線の一点鎖線はチョークラインかなにかで、後で消える線を引くことをおすすめします。3枚あるうちの2枚を図のように墨付けしてもらいまして、カットすると、700㎜×900㎜が4枚出来上がります。そのうちの2枚が上側でもう2枚が下側です。

 

その上側1枚と下側1枚をバッテンにして挿し込むと1セットの出来上がりで、2セット組み立てます。そして最後の3枚目の手つかずの天板1枚をその上に置いて簡易作業台の完成です。言い忘れましたが、4枚とも同じくり抜きの形にしてください。重ねて持ち歩く時に手がかかりやすくするためです。使い終わったらバラして重ねてかたずけるといった感じになります。

 

わからないことなどありましたら、すみませんが「お問い合わせ」のほうから送ってください。

収納性

使い終わってバラして重ねて収納になりますが、台4枚重ねて置くかんじになります。天板の合板は自分は車には積んでいません。現場に必ずと言っていいほど合板はどこかにあるので、作業台のみ車に積んでいます。天板の合板は別に台と同じ材料でなくてもいいですし、人によっては12㎜の厚みではなくもっと厚い天板を使っている人もいます。

 

ずっとどこかに置きっぱなしにする人なんかは台と天板を固定してしまう人もいます。場所もとるし、掃除も大変なので自分は固定していません。バラして重ねて壁にかけてるってかんじです。うちらはこの作業台のことを「ボード台」と呼んでいます。

最後に

このようにボード台が完成したら、いよいよスタートです。自分が設計して加工して出来上がったときは結果はどうあれ楽しいものです。興味のある方はぜひやってみてください。この記事が誰かのお役に立てれば幸いです。

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