レム睡眠・ノンレム睡眠の違いとは?眠っている間に脳で起きている驚きの秘密

健康

毎日眠っているのに「睡眠の仕組み」を知っている人は意外と少ない

「今日はぐっすり寝れた。」

「夢をたくさん見た。」

「8時間寝たのに疲れが取れない。」

誰もが一度はこんな経験をしたことがあるでしょう。

しかし、「眠っている間に脳や体で何が起きているのか」を詳しく知っている人は意外と多くありません。

実は、人間の睡眠はただ眠っているのではなく、レム睡眠ノンレム睡眠という2種類の睡眠を一晩中何度も繰り返しています。

そして、この2つにはまったく異なる役割があります。

どちらか一方だけでは健康を維持することができず、両方がバランスよく訪れることで、私たちの脳と体はしっかり回復しているのです。

「レム睡眠=夢を見る睡眠」

「ノンレム睡眠=深く眠る睡眠」

というイメージを持っている人も多いですが、実はそれだけではありません。

最新の研究では、それぞれの睡眠が記憶力・集中力・免疫力・ストレス耐性・ダイエット・老化にまで深く関係していることがわかってきています。

つまり、睡眠を理解することは、自分の健康を守ることにもつながるのです。

今回は、レム睡眠とノンレム睡眠の違いをわかりやすく解説しながら、今日から実践できる睡眠の知識も紹介していきます。

レム睡眠とは?脳は起きているのに体は眠っている不思議な時間

レム睡眠は英語で「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の頭文字、R、E、Mをつなげて略した言葉です。

眠っているにもかかわらず、閉じたまぶたの下で目が左右に素早く動くことから、この名前が付けられました。

レム睡眠中は、実は脳がかなり活発に活動しています。

起きているときとほとんど変わらないほど脳が働いているため、この時間帯に夢を見ることが多いのです。

一方で、体の筋肉はほとんど動かなくなっています。

これは夢の中で走ったり飛び跳ねたりしても、現実では同じ動きをしないようにするための安全装置です。

もしこの仕組みがなければ、夢の内容をそのまま体で体現してしまい、自分の家族を傷つけてしまう危険があります。

実際に、この安全装置がうまく働かない「レム睡眠行動障害」という病気では、夢の中の動きを現実でもしてしまうことがあります。

つまり、レム睡眠は「脳は活動中、体は休憩中」という非常に特殊な睡眠なのです。

ノンレム睡眠とは?脳を休ませるための大切な時間

一方、ノンレム睡眠は脳をしっかり休ませる時間です。

眠り始めると最初に訪れるのがノンレム睡眠で、特に最初の90分は「黄金の90分」と呼ばれるほど重要だとされています。

この時間帯には成長ホルモンが多く分泌されます。

成長ホルモンという名前から子供だけに関係するものと思われがちですが、大人にとっても非常に重要です。

例えば、

  • 傷ついた筋肉の修復
  • 疲労回復
  • 肌のターンオーバー
  • 骨の修復
  • 免疫機能の維持

など、多くの働きを担っています。

「寝ると風邪が治る」と昔から言われますが、これは単なる言い伝えではなく、深いノンレム睡眠中に体の修復作業が活発になるためです。

また、ノンレム睡眠では脳の老廃物を洗い流す働きも活発になることが近年の研究でわかっています。

アルツハイマー病との関係が指摘される「アミロイドβ」とういう老廃物も、深い睡眠中に効率よく排出されると考えられています。

つまり、深く眠ることは「脳の大掃除」をしているようなものです。

一晩の睡眠は何回も繰り返されている

「寝たら朝までずっと同じ深さで眠っている」と思っている人も多いですが、実際には違います。

私たちの睡眠は、ノンレム睡眠から始まり、その後レム睡眠へ移る流れを約90分ごとに4~6回繰り返しています。

最初の睡眠では深いノンレム睡眠が多く、朝に近づくにつれてレム睡眠の時間が長くなっていきます。

そのため、朝方に見た夢を覚えてる人が多いです。

一方で、寝初めに見た夢は、深いノンレム睡眠が多いため、ほとんど記憶に残りません。

「昨日夢を見なかった」と思っていても、実際には誰でも夢を見ています。

覚えていないだけなのです。

この仕組みを知ると、「夢を見たから眠りが浅い」と決めつけるのは間違いだとわかります。

レム睡眠は健康な睡眠に欠かせない、大切な時間なのです。

夢を見ることにも重要な役割がある?

「夢なんて意味がない」と思う人もいるかもしれません。

しかし近年では、夢にも重要な役割があると考えられています。

例えば、日中に学習した内容を整理したり、感情を落ち着かせたりする働きがあるという説です。

テスト勉強した日に夢で勉強していたり、スポーツ選手が試合の夢を見ることがあるのも、脳が情報を整理している途中なのかもしれません。

また、嫌な出来事を夢の中で何度も見ることがありますが、これは心のダメージを和らげるために脳が感情を整理している可能性も指摘されています。

つまり、夢は単なる映像ではなく、脳のメンテナンス作業の一部なのです。

レム睡眠とノンレム睡眠、どちらが重要なの?

「深く眠れるノンレム睡眠のほうが大切なんじゃない?」

そう思う人も多いでしょう。

確かに、疲労回復や成長ホルモンの分泌には深いノンレム睡眠が欠かせません。しかし、だからといってレム睡眠が不要というわけではありません。

実は、レム睡眠とノンレム睡眠は、それぞれ違う仕事を担当する”チームメイト”のような存在です。

ノンレム睡眠は体のメンテナンスや脳の休息を担当し、レム睡眠は記憶の整理や感情のコントロール、学習した情報の定着などを担当しています。

どちらか一方だけでは、健康な心身を維持することはできません。

たとえば、徹夜明けに「頭が働かない」「物忘れが増える」と感じるのは、レム睡眠・ノンレム睡眠の両方が不足しているためです。

睡眠時間だけでなく、「質」が重要だと言われる理由がここにあります。

「8時間寝れば安心」は本当?

睡眠時間については「8時間寝るのが理想」とよく耳にします。

しかし、これは必ずしも全員に当てはまるわけではありません。

成人では一般的に7~9時間程度が目安とされていますが、体質には個人差があります。

6時間半でも日中に眠気がなく元気に過ごせる人もいれば、8時間以上眠らないと疲れが取れない人もいます。

大切なのは、起きた時にスッキリしているか、日中に強い眠気がないかという点です。

逆に、9時間以上寝ても毎日だるさが残る場合は、睡眠の質が低下している可能性もあります。

「長く寝ること」よりも、「レム睡眠とノンレム睡眠をしっかり繰り返せる睡眠」を目指すことが重要なのです。

睡眠の質を上げるために今日からできること

では、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを整えるには、どんなことを意識すればよいのでしょうか。

まず一番大切なのは、毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きることです。

人間の体には「体内時計」があり、生活リズムが乱れると睡眠のサイクルも崩れてしまいます。

休日だけ昼まで寝てしまう「寝だめ」は、体内時計を狂わせる原因になるため、できるだけ避けたい習慣です。

次に、朝起きたら太陽の光を浴びることも重要です。

朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、約14~16時間後に自然と眠気が訪れやすくなります。

反対に、夜遅くまでスマートフォンやパソコンを見続けると、ブルーライトの影響で眠気を促すホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、寝つきが悪くなってしまいます。

寝る1時間前にはスマホを置き、照明を少し暗くするだけでも、睡眠の質は改善しやすくなります。

また、適度な運動もおすすめです。

ウォーキングや軽いストレッチなどを習慣にすると、深いノンレム睡眠が増えやすいことが分かっています。

ただし、寝る直前の激しい運動は体が興奮状態になるため、逆効果になることもあります。

実は「寝酒」は眠りの質を下げてしまう

「お酒を飲むとすぐ眠れる」という人は少なくありません。

確かにアルコールには眠気を誘う作用があります。しかし、実は寝酒には大きな落とし穴があります。

アルコールを飲むと寝つきは良くなる一方で、夜中に目が覚めやすくなり、特にレム睡眠が減少することが知られています。

その結果、翌朝「たくさん寝たはずなのに疲れが残っている」「頭がぼんやりする」と感じやすくなるのです。

さらに、いびきや睡眠無呼吸症候群を悪化させる原因にもなるため、睡眠の質を高めたいなら寝酒はできるだけ控えた方がよいでしょう。

睡眠不足は脳にも大きなダメージを与える

睡眠不足が続くと、「眠い」だけでは済みません。

集中力や判断力が低下し、仕事や勉強の効率が落ちるだけでなく、交通事故や労働災害のリスクも高まることが分かっています。

また、慢性的な睡眠不足は、高血圧や糖尿病、肥満、心臓病などの生活習慣病との関連も指摘されています。

さらに、免疫機能が低下することで風邪をひきやすくなったり、ストレスに弱くなったりすることもあります。

睡眠は「何もしない時間」ではありません。

眠っている間も、脳や体は翌日に向けて休むことなくメンテナンスを続けているのです。

意外と知らない睡眠の豆知識

最後に、誰かに話したくなる睡眠の雑学を紹介します。

実は、人間だけでなくほとんどの哺乳類にもレム睡眠があります。

犬や猫が寝ながら足を動かしたり、ひげをピクピクさせたりしている姿を見たことはありませんか?

あれはレム睡眠中に夢を見ている可能性があると考えられています。

「どんな夢を見ているんだろう?」と想像すると、少し微笑ましい気持ちになりますね。

また、赤ちゃんは大人よりもレム睡眠の割合が非常に多く、生まれたばかりの頃は睡眠時間の約半分がレム睡眠です。

これは急速に発達するのを育てるために、レム睡眠が重要な役割を果たしているからではないかと考えられています。

年齢を重ねるにつれて睡眠は浅くなり、深いノンレム催眠の時間は少しずつ減っていきます。

だからこそ、若いうちから睡眠を大切にする習慣を身に着けることが、将来の健康への投資になるのです。

まとめ

レム睡眠とノンレム睡眠は、どちらか一方が優れているわけではなく、それぞれ異なる役割を持つ大切な睡眠です。

ノンレム睡眠では体を休ませ、成長ホルモンの分泌や疲労回復、脳の老廃物除去がおこなわれます。一方、レム睡眠では夢を見ながら記憶を整理し、感情をコントロールし、学んだことを定着させています。

私たちは毎晩、この2つの睡眠を何度も繰り返すことで、心も体もリセットしているのです。

「睡眠は人生の3分の1を占める」と言われますが、それだけ長い時間を費やすからこそ、その仕組みを知ることは健康への第一歩です。

今日からは「何時間寝たか」だけではなく、「レム睡眠とノンレム睡眠をしっかり繰り返せる生活ができているか」にも目を向けてみてください。毎日の睡眠が変われば、日中の集中力や体調、そして将来の健康にもっと良い変化が現れるはずです。

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