睡眠時無呼吸症候群とは?症状・原因・セルフチェック・治療法をわかりやすく解説

健康

その「いびき」、実は命に関わるサインかもしれません

「いびきがうるさいと言われる。」

「寝ても疲れが取れない。」

「昼間に猛烈な眠気が襲ってくる」

これらを「年齢のせい」「疲れているだけ」と思っていませんか?

もし当てはまるなら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も息が止まる病気です。

実は日本では、潜在患者を含めると数百万人以上いるともいわれています。しかし、自分では気が付きにくいため、多くの人が放置しているのが現状です。

怖いのは、「ただ眠いだけ」の病気ではないということ。

放置すると、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中など重大な病気のリスクまで高めてしまいます。

今回は、

  • 睡眠時無呼吸症候群とは何か
  • 原因
  • 代表的な症状
  • 自宅でできるセルフチェック
  • 治療法

まで、初心者でもわかるように解説します。

この記事を読み終えるころには、「もしかして自分も?」という疑問がきっと解決するはずです。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、

睡眠中に10秒以上呼吸が止まる状態を繰り返す病気

です。

しかも一晩に数回ではありません。

重症になると、

1時間に30回以上

呼吸が止まる人もいます。

つまり、

30回×8時間=240回以上

呼吸が止まることもあるのです。

中には1分近く止まるケースもあります。

本人は眠っているため気付いていませんが、そのたびに体は酸欠状態になります。

脳は「危ない!」と判断し、眠りを浅くして呼吸を再開させます。

この繰り返しによって、どれだけ長時間寝ても、体はまったく休まらないのです。

睡眠時無呼吸症候群には2種類ある

1. 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

もっとも多いタイプです。

寝ると喉音筋肉がゆるみ、

  • 軟口蓋
  • のどの脂肪

などによって空気の通り道が塞がれてしまいます。

ホースを踏み潰すと水が流れなくなるのと同じイメージです。

日本人の患者さんのほとんどはこちらに当てはまります。

2. 中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

こちらは脳から「呼吸しなさい」という命令が一時的に止まってしまうタイプです。

心不全や脳の病気などが関係することが多く、患者数は少なめです。

一般的にテレビやネットで紹介される睡眠時無呼吸症候群は、ほとんどが閉塞性睡眠時無呼吸を指しています。

どんな人がなりやすい?

実は、肥満だけが原因ではありません。

以下に当てはまる人は注意が必要です。

  • 肥満
  • 首が太い
  • 男性
  • 40歳以上
  • 顎が小さい
  • 扁桃腺が大きい
  • 鼻づまりが多い
  • 飲酒習慣がある
  • 睡眠薬を飲んでいる

日本人は欧米人よりも顎が小さい人が多いため、

太っていなくても発症するケースが珍しくありません。

女性でも、更年期以降は発症率が上がることがわかっています。

「痩せているから大丈夫。」

とは言い切れない病気なのです。

「左向き・右向き・仰向け、結局どの寝方がいちばんいい?体への影響を科学的に解説」では、寝る姿勢によっていびきや呼吸が変わる理由について詳しく紹介しています。

睡眠時無呼吸との関係も理解しやすくなるので、こちらも参考にしてみてください。

左向き・右向き・仰向け、結局どの寝方がいちばんいい?体への影響を科学的に解説

こんな症状があれば要注意

睡眠時無呼吸症候群では、夜だけではなく昼間にも症状が現れます。

代表的なのは次のような症状です。

大きないびきをかく

もっとも多いサインです。

特徴は、

「ガーーーッ!」

という大きないびきのあと、

急に静かになります。

「あれ?息してない?」

と心配になります。

そして数秒後、

「ガッ!!」

と大きく息を吸って再びいびきがはじまります。

この繰り返しは、睡眠時無呼吸症候群の典型的なパターンです。

朝起きても疲れが残る

十分寝たはずなのに、

  • 疲れが取れない
  • 頭が重い
  • 体がだるい

という人は要注意。

眠っている間に何百回も覚醒しているため、深い睡眠がほとんど取れていない可能性があります。

「寝ても疲れが取れないのはなぜ?考えられる7つの原因と改善方法」では、睡眠時無呼吸意外にも疲れが残る原因を詳しく解説しています。原因を幅広く知っておきたい方にはこちらもおすすめです。

「寝ても疲れが取れないのはなぜ?考えられる7つの原因と改善方法」

昼寝の強烈な眠気

会議中。

運転中。

テレビを見ながら。

本来眠くならない場面でも、ウトウトしてしまう場合は危険です。

実際に、睡眠時無呼吸症候群が原因で重大な交通事故が起きたケースも報告されています。

「寝不足だから仕方ない」と軽く考えず、一度は疑ってみることが大切です。

自宅でできる!睡眠時無呼吸症候群セルフチェック

「病院へ行くほどではない気がする…」

そんな人は、まずセルフチェックをしてみましょう。

以下の項目で当てはまるものが多い人ほど、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

□ 家族からいびきが大きいと言われる

□ 寝ている間に呼吸が止まっていると言われたことがある

□ 朝起きると口が乾いている

□ 朝から頭痛がすることが多い

□ 夜中に何度も目が覚める

□ トイレに起きる回数が多い

□ 日中に強い眠気を感じる

□ 集中力が続かない

□ 血圧が高い

□ BMI(体格指数)が25以上ある

3項目以上当てはまる場合は、一度医療機関へ相談することをおすすめします。

もちろん、このチェックだけで診断できるわけではありませんが、「早めに気付くきっかけ」としては十分役立ちます。

放置するとどうなる?睡眠不足以上に怖いリスク

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、「眠い」だけでは済まないことがあります。

呼吸が止まるたびに体は酸素不足になり、心臓や血管へ大きな負担がかかるためです。

その結果、次のような病気のリスクが高まることがわかっています。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 脳卒中
  • 不整脈
  • 認知機能の低下

さらに、睡眠不足による判断力の低下から、交通事故や労働災害のリスクも上昇します。

実際に、睡眠時無呼吸症候群が原因で居眠り運転を起こし、大きな事故につながったケースも報告されています。

「たかがいびき」と軽く考えず。早めの対策が何より重要です。

「睡眠不足で起こる恐ろしい変化」では、睡眠不足によって脳や判断力にどのような影響が出るのかを詳しく解説しています。睡眠時無呼吸との関係も理解しやすくなるので、こちらの記事も参考にしてみてください。

睡眠不足で起こる体の変化とは?知らないと怖い健康への影響

睡眠時無呼吸症候群はどうやって調べるの?

病院では主に次のような検査を行います。

簡易検査

自宅で専用の機械を装着し、

  • 呼吸の回数
  • 血液中の酸素濃度
  • いびき

などを測定します。

一晩寝るだけなので、比較的気軽に受けられる検査です。

精密検査(PSG検査)

簡易検査で精密な検査が必要と判断された場合に行われます。

脳波や呼吸、心拍数、筋肉の動き、酸素濃度などを一晩かけて測定し、睡眠の状態を細かく調べます。

治療法は?実は改善できる病気です

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受ければ改善が期待できます。

1. CPAP(シーパップ)療法

もっとも代表的なのがCPAP療法です。

寝るときに専用マスクを装着し、空気を送り込むことで喉が塞がるのを防ぎます。

「機械をつけて寝るなんて大変そう…」

と思うかもしれませんが、多くの人が

「久しぶりにぐっすり眠れた」

「朝の目覚めが全然違う」

と効果を実感しています。

2. 減量

肥満が原因の場合は、体重を減らすだけで症状が軽くなることがあります。

特に首周りの脂肪が減ることで、気道が広がりやすくなるためです。

無理なダイエットではなく、少しずつ体重を落とすことが大切です。

3. 横向きで寝る

仰向けでは舌が喉へ落ち込みやすくなります。

一方、横向きで寝ると気道が確保されやすくなり、いびきや無呼吸が軽くなる人もいます。

抱き枕などを活用するのもおすすめです。

4. 飲酒・喫煙を控える

アルコールは喉の筋肉を緩め、無呼吸を悪化させます。

寝る前のお酒は特に注意が必要です。

また、喫煙も気道に炎症を起こし、症状を悪化させる原因になります。

「睡眠不足でストレスが増える?悪循環を断ち切る方法を解説」では、睡眠の質を高める生活習慣について詳しく紹介しています。

無呼吸症候群の改善にも役立つヒントが満載ですので、こちらの記事も参考にしてみてください。

睡眠不足でストレスが増える?悪循環を断ち切る方法を解説

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、「いびきがうるさい人の病気」ではありません。

睡眠中に何度も呼吸が止まることで、体は毎晩酸欠状態となり、十分に休息できなくなります。

その結果、昼間の眠気や疲労感だけでなく、高血圧や心筋梗塞、脳卒中など重大な病気のリスクまで高めてしまうことがあります。

しかし、早めに起き、適切な検査や治療を受ければ改善が期待できる病気でもあります。

もし、

いびきが大きい

昼間に眠くて仕方ない

朝起きても疲れが取れてない

そんな症状が続いているなら、「ただの寝不足」と決めつけず、一度睡眠外来や耳鼻咽喉科などの医療機関へ相談してみましょう。

毎日を元気に過ごすためには、ぐっすり眠ることだけでなく、きちんと呼吸できていることも同じくらい大切なのです。

毎日を元気に過ごすためには、ぐっすり眠ることだけでなく、きちんと呼吸できていることも同じくらい大切です。

もし「最近疲れが取れない」「朝からだるい」と感じているなら、睡眠だけでなく呼吸にも目を向けてみてください。

その気づきが、心も体も軽やかな毎日への第一歩になるかもしれません。

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