エアコンをつけっぱなしで寝ても大丈夫?

睡眠

「エアコンをつけたまま寝ると、体が冷えそう」

「寝るときだけ冷やして、タイマーで切ったほうがいいのかな?」

夏になると、エアコンを朝まで使うか、途中で切るか迷うことがあります。

結論からいうと、暑い夜に無理にエアコンを切る必要はありません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、夏の寝室では室温が上がると睡眠時間が短くなったり、睡眠効率が低下したりすることが報告されており、エアコンを使って寝室を涼しく保つことが大切とされています。

ただし、

「必ず朝までつけっぱなしが正解」

というわけでもありません。

外気温、部屋の断熱性、寝具、エアコンの位置などによって、快適な使い方は変わります。

この記事では、

・朝までつけっぱなしでもいいのか
・タイマーで切る場合は何に注意するのか
・設定温度は何度がいいのか
・風向きや湿度はどう調整するのか

を、夏の寝室環境という視点から分かりやすく見ていきます。

まず結論|暑い夜はエアコンを無理に切らなくていい

エアコンの使い方は、大きく3つに分けられます。

使い方 向いている状況 気をつけたいこと
朝まで運転する 夜中も気温が高い・部屋が暑くなりやすい 冷やしすぎ、直接風を避ける
タイマーで切る 夜間に外気温が下がる・室温が上がりにくい 切れたあと室温が上がらないか確認
エアコンを使わない 自然に涼しく、朝まで寝室が快適 寝る前だけでなく夜間の室温も確認

ポイントは、「エアコンをつけている時間」より「眠っている間の寝室がどう変化するか」です。

寝るときに涼しくても、エアコンが止まったあと急に暑くなる部屋もあります。

反対に、夜になると外気温が下がり、エアコンを止めても快適な室温を保てる部屋もあります。

そのため、「つけっぱなし」か「タイマー」かを最初から決めるのではなく、寝室の変化を見ながら選ぶほうが分かりやすいでしょう。

 

なぜ夏の寝室は「温度の変化」が大切なのか

眠っている間は、自分でエアコンを調整することができません。

寝る直前は快適でも、

エアコン停止
↓
壁や天井、家具などに残っていた熱で室温が上がる
↓
寝苦しく感じる

ということがあります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、夏の寝室で室温が上昇すると、睡眠時間の短縮や睡眠効率の低下がみられた研究が紹介されています。

つまり夏の睡眠では、

「寝る瞬間だけ涼しいか」ではなく、「朝まで大きく暑くならないか」

を見ることがポイントです。

暑くてなかなか寝つけないときの寝室づくりについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

▷夏、暑くて眠れない|エアコンは何度が正解?快適に眠るための設定とポイントを徹底解説

エアコンは何度に設定すればいい?

ここで迷いやすいのが設定温度です。

「26℃がいい」

「28℃がいい」

など、さまざまな数字を見かけますが、すべての寝室に共通する絶対的な温度はありません。

環境省の熱中症対策資料では、エアコンを使用するときの室温28℃が一つの目安として示されています。

ここで注意したいのが、

エアコンの設定温度と実際の室温は同じとは限らない

という点です。

たとえばエアコンを28℃に設定していても、

・部屋の広さ
・日中の日当たり
・住宅の断熱性
・エアコンの能力
・寝具
・人の人数

などによって、ベッド周辺の温度は変わります。

そのため、「何℃に設定したか」だけで判断するより、ベッドの近くに温湿度計を置いて確認すると分かりやすくなります。

数字より分かりやすい「調整のサイン」

設定に迷ったときは、翌朝の状態も参考になります。

寝ているとき・起きた時の状態 見直すポイント
暑くて寝つきにくい 少し温度を下げる・空気を循環させる
夜中に暑くて目が覚める タイマー停止後の室温を確認する
寒く感じる 風向きを天井側などへ変更する
蒸し暑く感じる 室温だけでなく湿度も確認する
ベッドの周辺だけ暑い サーキュレーターなどで空気を循環させる

最初から完璧な数字を探すより、自分の寝室で少しずつ調整するほうが現実的です。

「タイマーで切る」ときに確認したいこと

タイマーそのものが悪いわけではありません。

問題になるのは、タイマーが切れたあとに寝室がどうなるかです。

環境省の熱中症対策資料でも、夜間はエアコンのタイマーが切れたあとに室温が高くなる場合があるとして注意を呼びかけています。

そこで、タイマーを使うなら次のように確認すると分かりやすくなります。

朝起きたときに室温を確認する

まず簡単なのが、温湿度計を見る方法です。

寝る前は快適でも、朝になるとかなり室温が上がっているなら、タイマーの時間が短すぎる可能性があります。

夜中に暑くて目が覚めていないかを見る

「毎晩3時ごろになると暑くて目が覚める」

という場合、エアコンが停止する時間と重なっていないか確認してみます。

暑い日だけ朝まで運転する

毎日同じ設定にする必要もありません。

蒸し暑い夜は朝まで運転し、涼しい夜はタイマーを利用するなど、天候に合わせて変える方法もあります。

冷房の風は体に直接当てない

朝まで運転する場合に気をつけたいのが「風」です。

冷房の風が同じ場所に長時間当たり続けると、必要以上に寒く感じることがあります。

環境省の資料でも、エアコンの冷気に直接当たり続けることは避けるよう案内されています。

寝るときは、

・風向きを天井側にする
・ベッドに直接風が当たらない位置にする
・サーキュレーターで室内の空気をゆっくり循環させる

といった方法があります。

つまり、

「室温を下げること」と「冷たい風を体に当て続けること」は別

と考えると分かりやすいでしょう。

湿度も一緒に見る

同じ室温でも、湿度によって感じ方は変わります。

湿度が高い日は、

「温度はそれほど高くないのに、なんとなく蒸し暑い」

と感じることがあります。

この場合、設定温度だけをどんどん下げるのではなく、除湿運転を試す方法もあります。

反対に、冷房や除湿を強く使いすぎて乾燥が気になる場合は、運転方法を見直します。

夏の寝室では、

温度だけを見るのではなく、「温度・湿度・風」の3つをセットで考える

と調整しやすくなります。

寝具によっても体感温度は変わる

エアコンを使っているのに暑い場合、寝具も確認してみましょう。

たとえば、

・厚い掛け布団
・熱がこもりやすい敷き寝具
・通気性の低いシーツ
・夏でも冬用の寝具を使っている

といった状態では、部屋が涼しくても寝床の中に熱がこもることがあります。

逆にエアコンを強くしすぎると、今度は寝床から出ている肩や腕だけ寒く感じることもあります。

寝室全体を考えると、

確認する場所 見るポイント
室温 朝まで大きく上昇していないか
湿度 蒸し暑さや乾燥が気にならないか
風 体に直接当たっていないか
掛け寝具 厚すぎないか
敷き寝具 熱がこもっていないか
パジャマ 季節に合ったものか

エアコンだけを調整するより、寝具まで含めて考えたほうが寝室を整えやすくなります。

自分に合う設定を3日で探してみる

寝室環境には個人差があります。

そこでおすすめなのが、一度に全部変えず、1つずつ条件を変えて比べる方法です。

たとえば3日間なら、次のように試せます。

日 試すこと 朝に確認すること
1日目 今まで通り使う 暑さ・寒さ・夜中の目覚め
2日目 温度を1℃だけ調整 1日目より快適だったか
3日目 風向きやタイマーを調整 朝まで快適だったか

できれば、

・就寝前の室温
・起床時の室温
・エアコンの設定
・夜中に暑さや寒さを感じたか

だけ簡単に記録します。

こうすると、

「私は27℃がいい」

ではなく、

「この寝室では、この使い方だと朝まで快適だった」

という自分の環境に合った設定を探しやすくなります。

つけっぱなしとタイマー、電気代が安いのはどっち?

これは一概には決められません。

電気代は、

・外気温
・設定温度
・住宅の断熱性能
・部屋の広さ
・エアコンの性能
・運転時間

などによって変わるからです。

「つけっぱなしなら必ず安い」

「こまめに切ったほうが必ず安い」

のどちらも、すべての住宅に当てはまるとは限りません。

睡眠中については、電気代だけを理由に無理に室温を上げるのではなく、まず寝室が暑くなりすぎない使い方を考え、そのうえで自宅のエアコンの消費電力量や電気料金を確認すると分かりやすいでしょう。

エアコンを朝まで使うか迷ったときのチェックリスト

次の項目に当てはまる場合は、タイマーを短時間で切るより、運転方法を見直してみる余地があります。

  • 寝るときは涼しいのに、朝は部屋が暑い
  • 夜中に暑くて目が覚めることがある
  • タイマーが切れたあと寝苦しくなる
  • 日中に寝室へ熱がこもりやすい
  • 最上階や西日の当たる部屋で寝ている
  • 夜になっても外気温があまり下がらない

逆に、タイマーが切れたあとも朝まで室温が大きく変わらず、快適に眠れているのであれば、必ずしも一晩中運転する必要はありません。

まとめ|大切なのは「つけっぱなし」ではなく朝までの寝室環境

「エアコンをつけっぱなしで寝ると体に悪い」

と聞いたことがある人もいるでしょう。

しかし、夏の睡眠で見るべきなのは、エアコンを何時間動かしたかだけではありません。

大切なのは、

眠っている間の寝室を暑くしすぎず、寒くもしすぎないことです。

最後にポイントをまとめます。

  • 暑い夜は無理にエアコンを切らない
  • タイマーを使うなら停止後の室温も確認する
  • 設定温度と実際の室温は同じとは限らない
  • 冷たい風を体に直接当て続けない
  • 温度だけでなく湿度も確認する
  • 寝具やパジャマも一緒に見直す
  • 「何℃が正解か」より、自分の寝室で朝まで快適かを見る

「朝までつけるか、途中で切るか」で迷ったときは、まず翌朝の室温を一度確認してみてください。

寝室が夜中にどう変化しているのかが分かると、自分に合ったエアコンの使い方を見つけやすくなります。

睡眠環境全体を整えたい方はこちらも参考にしてください。

▷睡眠の質を上げる方法10選|今日からできる快眠習慣

▷夏、暑くて眠れない|エアコンは何度が正解?快適に眠るための設定とポイントを徹底解説

参考・出典

・厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド2023

・環境省|熱中症環境保護マニュアル

・厚生労働省|熱中症を防ぎましょう

・人間-生活環境系学会|夏期の睡眠時における最適な冷房条件に関する実験的研究

・空気調和・衛生工学会|夏季における寝室の温熱環境が睡眠に及ぼす影響

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