昼寝は何分が最強?15分・20分・30分・60分・90分を研究から比較

睡眠

「午後になると急に眠くなる……」

「昼寝をしたいけれど、何分寝ればいいの?」

「20分がいいとも、90分がいいとも聞くけれど、結局どっち?」

昼寝について調べると、15分、20分、30分、60分、90分など、さまざまな時間が出てきます。

では、本当に「最強の昼寝時間」はあるのでしょうか。

結論からいうと、仕事や勉強の合間に行う一般的な昼寝なら、15~20分程度がもっとも取り入れやすい目安です。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、昼寝は15分程度で十分と紹介されています。

また、2024年に日本睡眠環境学会の学術誌に掲載されたレビューでも、15~20分程度の短時間仮眠では深い睡眠に入りにくく、眠気の軽減やパフォーマンス向上が期待できるとまとめられています。

ただし、

「20分を超えた瞬間に悪くなる」

という意味ではありません。

眠りに入る速さや睡眠の深さには個人差があるため、大切なのは「何分寝たか」だけではなく、起きたあとに眠気が残らず、その日の夜の睡眠にも影響しにくい長さを選ぶことです。

この記事では、15分・20分・30分・60分・90分の違いを比較しながら、昼寝時間の考え方をわかりやすく紹介します。

先に結論|昼寝時間を比較するとどう違う?

昼寝時間 特徴 向いている使い方 注意点
15分 短く取り入れやすい 昼休み・仕事や勉強の合間 寝付くまで時間がかかる人は短く感じることも
20分 短時間仮眠の代表的な長さ 午後の眠気対策 深く眠り過ぎないようタイマーを使う
30分 ある程度しっかり眠れる 時間に余裕があるとき 起きた直後にぼんやりすることがある
60分 深い睡眠に入る可能性が高まる 長めに休みたいとき 睡眠慣性が出やすい
90分 長時間の昼寝 まとまった休息を取りたいとき 夜の睡眠に影響することがある

※睡眠の深さや目覚めやすさには個人差があります。

 

なぜ昼下がりに眠くなるの?

「昼ご飯を食べたから眠くなった」

と思われがちですが、昼下がりの眠気は食事だけが原因ではありません。

人の眠気には1日の中で変化するリズムがあり、昼下がりには睡眠不足や昼食の影響がなくても眠気が強くなることがあります。

2024年の国内レビューでも、昼下がりの眠気は生物リズムと関係していると説明されています。

つまり午後に少し眠くなること自体は、珍しいことではありません。

そこで活用されているのが、短時間の昼寝です。

15分の昼寝|まず試しやすい長さ

「昼寝を始めてみたい」

という人なら、まず15分程度から試す方法があります。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、

昼寝は15分程度の長さでも十分

と紹介されています。

短時間なら深い睡眠まで進みにくいため、起きたあとに強い眠気が残る可能性を抑えながら休憩できます。

仕事の昼休みや勉強の合間にも取り入れやすい長さです。

まずは15分程度の短い昼寝から試し、起きたあとの眠気や夜の寝つきを見ながら調整すると分かりやすいでしょう。

20分の昼寝|短時間仮眠の代表的な長さ

15分と並んで研究でよく使われるのが、20分前後の短時間仮眠です。

国内では、広島大学などの研究でも20分間の仮眠が検討されています。

2024年の「昼寝の功罪とパワーナップ」では、15~20分程度の短時間仮眠について、

・深い徐波睡眠がほとんど出現しない
・眠気が軽減する
・パフォーマンス向上がみられる

とまとめられています。

「午後にもうひと仕事したい」

「昼休みのあとに頭を切り替えたい」

という場合には、15~20分程度が現実的な選択肢といえます。

30分の昼寝|なぜ起きたあと眠くなることがある?

30分というと、

「20分より10分長く寝られるから、もっとスッキリしそう」

と思うかもしれません。

ところが、昼寝は単純に長ければ長いほど目覚めやすくなるわけではありません。

睡眠が続くにつれて、浅い睡眠から深い睡眠へ進んでいきます。

深い睡眠の途中で目覚めると、

「目は開いているのに頭が働かない」

「もう少し寝たくなる」

「起きてからしばらくぼんやりする」

と感じることがあります。

これが睡眠慣性です。

2026年に国内で発表された研究でも、30分以上の仮眠では深い睡眠の最中に目覚め、睡眠慣性が生じやすくなるという先行研究が紹介されています。

そのため、

「30分は絶対ダメ」ではありませんが、起きてすぐ仕事や勉強に戻りたい場合は15~20分のほうが使いやすい

と考えられます。

30分ほど寝たあとに頭がぼんやりする理由については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

▷睡眠慣性とは?朝起きても眠い原因と今日からできる改善法

60分の昼寝|「記憶にいい」と単純には言えない

昼寝について調べると、

「60分寝ると記憶力が上がる」

という説明を見かけることがあります。

たしかに睡眠と記憶には関係があり、睡眠中にはさまざまな情報処理が行われています。

しかし、

「60分寝れば必ず記憶力が上がる」

と単純に考えることはできません。

60分のような長めの昼寝では、深い睡眠を含む可能性があります。

目覚めるタイミングによっては睡眠慣性が強く出ることもあります。

普段の昼休みに60分眠り、その直後から集中して作業するという使い方には向かない場合があります。

勉強目的で昼寝を取り入れる場合でも、「60分」にこだわるより、

普段の夜の睡眠時間を確保したうえで、日中は短時間仮眠を利用する

という考え方のほうがシンプルです。

90分の昼寝|「睡眠1サイクルだから最強」は本当?

よく見かけるのが、

「睡眠は90分周期なので、90分寝ればスッキリ起きられる」

という説です。

これは少し注意が必要です。

睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しますが、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、その周期を約90~120分と説明しています。

つまり、全員が毎回ぴったり90分で1周期になるわけではありません。

さらに、これは主に夜間睡眠について説明される睡眠構造です。

昼寝で90分寝れば必ず理想的なタイミングで目覚められる、という意味ではありません。

90分の昼寝は短時間仮眠というより、かなり長い昼寝です。

長時間の昼寝は、その日の夜の睡眠を妨げることがあります。

そのため、

「90分だから最強」ではなく、普段の昼寝としては15~20分程度のほうが使いやすい

と考えると分かりやすいでしょう。

レム睡眠とノンレム睡眠の違いはこちらの記事で詳しく紹介しています。

▷レム睡眠・ノンレム睡眠の違いとは?眠っている間に脳で起きている驚きの秘密

「最強の昼寝」は何分なのか?

ここまでを整理すると、昼寝には少し面白い特徴があります。

長く寝るほど良いわけではない

ということです。

こんなとき 昼寝時間の目安 ポイント
午後の眠気を軽くしたい 15~20分 起きたあとに眠気が残りにくい
昼休みに少し休みたい 15~20分 仕事や勉強に戻りやすい
30分ほど眠りたい 約30分 起きた直後ぼんやりすることがある
しっかり長めに眠りたい 60分前後 深い睡眠に入り、睡眠慣性が出ることがある
90分ほど眠りたい 約90分 夜の睡眠に影響することがある

普段の昼寝なら、15~20分程度がもっとも取り入れやすい。

こうして見ると、

「最強」という言葉に最も近いのは、多くの人が日常生活に取り入れやすい15~20分

といえそうです。

ただし、20分は絶対的な正解ではありません。

10分程度でもスッキリする人もいれば、寝つくまで時間がかかる人もいます。

自分が起きたあとにどう感じるかも合わせて調整するのが現実的です。

コーヒーナップとは?

短時間昼寝と一緒によく紹介されるのが「コーヒーナップ」です。

方法はシンプルです。

昼寝の直前にコーヒーなどでカフェインを摂り、そのあと短時間の仮眠をする

というものです。

国内の睡眠研究でも、短時間仮眠後の睡眠慣性を軽減する方法のひとつとしてカフェインが研究されています。

ただし、カフェインの効き方や体内から減っていく速さには個人差があります。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、カフェインに敏感な人は就寝の5~6時間前から控える方法が紹介されています。

そのためコーヒーナップを試すなら、夕方や夜ではなく、昼の早い時間帯のほうが取り入れやすいでしょう。


カフェインを摂ったあと夜になかなか眠れない人は、こちらの記事も参考になります。

▷眠いのに眠れない理由とは?考えられる原因と今すぐできる対処法

昼寝をするときの5つのコツ

1.最初は15~20分程度から試す

長時間寝るより、まず短時間から試したほうが自分に合う長さを見つけやすくなります。

2.タイマーを使う

「少しだけ」のつもりが1時間寝てしまうのを防ぐため、昼寝前にタイマーを設定しておくと安心です。

3.ベッドでなくてもいい

2019年の小規模な国内研究では、椅子を使った20分間の短時間仮眠でも、仮眠後の眠気の低下が確認されています。

昼休みにベッドがなくても、背もたれのある椅子などで休む方法があります。

4.夕方まで寝ない

遅い時間の長い昼寝は、その日の夜の睡眠に影響することがあります。

昼寝はできるだけ昼下がりの早い時間に済ませるほうが生活リズムを崩しにくくなります。

5.昼寝を夜の睡眠の代わりにしない

「夜4時間しか寝ていないから、昼に2時間寝れば同じ」

という単純な足し算にはなりません。

昼寝はあくまで日中の眠気への対策として利用し、普段の夜の睡眠時間も確保することが基本です。

こんな昼寝になっていないかチェック

チェック項目 当てはまる?
昼寝すると、毎回1時間以上寝てしまう □
起きたあと、30分以上ぼんやりする □
夕方に寝てしまうことが多い □
昼寝をした日は、夜なかなか眠くならない □
昼寝を何度も繰り返してしまう □

いくつも当てはまる場合は、まず昼寝時間を15~20分程度に短くして、起きたあとの感覚がどう変わるか比べてみる方法があります。

「もう少しだけ」と何度も眠ってしまう二度寝についてはこちらで紹介しています。

▷二度寝は体に悪い?実はメリットもあるって本当?

まとめ|迷ったら15~20分から

昼寝は「長く寝れば寝るほど良い」というものではありません。

国内の公的情報や研究を確認すると、日常的な昼寝として取り入れやすいのは15~20分程度の短時間仮眠です。

15分なら短い休憩として取り入れやすく、20分前後も国内の研究でよく使われています。

一方で30分以上になると、深い睡眠に入って起床直後にぼんやりする「睡眠慣性」が起こる可能性が高まります。

また、

「60分なら記憶力が上がる」
「90分なら睡眠1サイクルだから必ずスッキリする」

と時間だけで効果を決めることもできません。

昼寝時間で迷ったら、

まず15~20分程度から試す。

そして、

「起きたあとスッキリしたか」
「午後に眠くならなかったか」
「夜いつも通り眠れたか」

この3つを目安に、自分に合う長さを探してみると分かりやすいでしょう。

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▷睡眠の質を上げる方法10選|今日からできる快眠習慣
▷睡眠慣性とは?朝起きても眠い原因と今日からできる改善法
▷レム睡眠・ノンレム睡眠の違いとは?眠っている間に脳で起きている驚きの秘密

参考・出典

・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

・厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

・林 光緒「昼寝の功罪とパワーナップ」睡眠と環境 18巻1号、2024年

・林 光緒・堀 忠雄「午後の眠気対策としての短時間仮眠」生理心理学と精神生理学 25巻1号、2007年

・小山秀紀ほか「昼寝椅子における短時間仮眠が睡眠の質,パフォーマンス,眠気に及ぼす影響」労働科学 95巻2号、2019年

・小川景子ほか「入浴とパワーナップ(積極的仮眠)のシナジー効果:リモートワークの新たな働き方改革の提案」日本健康開発雑誌 47巻、2026年

・厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」

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