寝る向きで睡眠の質は本当に変わる?
「横向きで寝た方がいいらしいよ。」
「仰向けは腰に悪いって聞いた。」
「いや、右向きと左向きでも違うらしいよ。」
このような話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
寝る向きは単なる癖のように思えますが、いびきや胃酸の逆流など、特定の症状と関係することがわかっています。
もちろん、「この寝方なら全員にとって100点」という万能な姿勢はありません。
しかし、体の状態や悩みによっては、寝る向きを変えることで、睡眠中の不快感や呼吸の状態が変わる可能性があります。
今回は、
- 左向き
- 右向き
- 仰向け
それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、「結局どれが一番いいの?」という疑問をわかりやすく解説します。
この記事を参考に、自分に合った寝方を考えてみてください。
仰向け寝のメリット・デメリット
仰向けは背骨をまっすぐ保ちやすい
仰向けは、背骨がまっすぐになりやすく、首や腰への負担を抑えやすい姿勢とされます。
適切な高さの枕を使えば、
- 首
- 背中
- 腰
が自然な位置になりやすく、筋肉がリラックスしやすいと言われています。
ただし、いびきや無呼吸には注意
一方で、仰向け寝には弱点があります。
眠ると筋肉が緩み、舌が喉の奥へ落ち込みやすくなるため、気道が狭くなってしまうことがあります。
これによって、
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群
が悪化しやすいことが知られています。
もし家族から「いびきがすごい」と言われたり、朝起きても疲れが残る場合は、寝る向きを変えるだけで改善するケースもあります。
腰痛の人は工夫すると楽になる
仰向けで腰が痛くなる人は意外と多くいます。
そんなときは、膝の下にクッションや丸めたタオルを入れるだけでも腰への負担が軽くなることがあります。
ほんの数センチ足を持ち上げるだけで、腰の反りが減り、筋肉がリラックスしやすくなるためです。
自分も昔は腰痛持ちでしたが、マットレスを変えたことで、腰のつらさが大きく軽減しました。
寝る姿勢だけでなく、マットレスや枕などの寝具を見直してみるのも一つの方法です。
左向き寝が向いているケースとは?
最近、「左向きで寝ると健康に良い」という話を耳にした人もいるかもしれません。
実はこれは、体の構造が関係しています。
胃酸の逆流を防ぎやすい
食道と胃の位置関係を見ると、左向きで寝た方が胃酸が食道へ逆流しにくい構造になっています。
そのため、
- 胸やけ
- 逆流性食道炎
に悩む人は、左向き寝を勧められることがあります。
自分は、この姿勢からさらに、軽く膝を曲げて枕を首にだけ置くのではなく、肩あたりから徐々に高くしていくやり方で寝ています。
なので枕は3個使っています。肩のところに1つ、頭のところに2つ置き、なだらかな傾斜を作っています。自分の場合は、この方法で寝ると逆流による不快感が出にくくなりました。
朝起きると枕は原型をとどめていませんが。
夜中に胸やけで目が覚める人は、一度試してみる価値があるでしょう。
血液やリンパの流れにも影響?
左向き寝はリンパ液の流れを助ける可能性があるという説もあります。
リンパは体内の老廃物を運ぶ役割があり、睡眠中も活発に働いています。
動物実験では、睡眠時の姿勢によって脳内の老廃物輸送に違いが生じることが報告されています。
げっ歯類を使った研究では、横向きの姿勢でグリンパティック系の輸送が最も効率的でした。
ただし、この結果がそのまま人間にも当てはまるかは、まだわかっていません。
人間で「左向きに寝ると脳の老廃物排出を高める」と結論づけるには、まだ研究が必要です。
「寝ているだけで脳の掃除が行われている」というのは、とても興味深い話ですね。
妊婦さんにも左向き寝が勧められることがある
妊娠中は、お腹が大きくなることで血管が圧迫されやすくなります。
妊娠中、とくに妊娠後半は、お腹が大きくなることで仰向けが負担になることがあります。そのため、左右どちらかの横向きで眠ることが勧められています。
しかし、「妊娠中は絶対に左向きが良い」というわけではありません。
特に妊娠後期は仰向けを避け、左右どちらか楽な横向きで眠ることが勧められています。
もちろん、無理に同じ姿勢を続ける必要はありませんが、体が楽に感じるなら左向きを試してみるのもよいでしょう。
睡眠中は、私たちが思ってる以上に脳が活発に働いています。
「夢を見る理由とは?最新研究でわかっていること」では、夢を見る仕組みや、睡眠中に脳で起きている不思議な現象について、最新の研究を交えながら詳しく解説しています。
夢と睡眠の関係が気になる方は、あわせて読んでみてください。
右向き寝にはどんなメリットがある?
左向きが健康に良いと言われることが多い一方で、右向きにもメリットがあります。
実際には、「右向きだから悪い」というわけではわりません。
体質や体調によっては、右向きの方が快適に眠れる人もいます。
右向きだから悪いわけではない
実際には、「右向きだから悪い」というわけではありません。
左向きより右向きの方が楽に感じる人もいるため、特に症状がない場合は、自分が無理なく眠れる姿勢を選ぶとよいでしょう。
健康な人であれば、「心臓に悪いから右向きにしなければならない」ということではなく、自分が一番リラックスできる姿勢を選ぶことが大切です。
横向き寝は、いびき対策にも効果が期待できる
右向き・左向きに共通するメリットとして、横向き寝は気道が確保されやすいことが挙げられます。
仰向けでは舌が喉の奥へ落ち込みやすくなりますが、横向きになることで気道が広がりやすくなるため、
いびきや、仰向けで悪化するタイプの睡眠時無呼吸の症状軽減につながることがあります。
もちろん、重度の睡眠時無呼吸症候群は医療機関での診断・治療が必要ですが、寝る向きを変えるだけでも症状が軽くなる人は少なくありません。
結局、一番おすすめの寝方は?
ここまで紹介してきたように、それぞれの寝方には特徴があります。
簡単にまとめると、
仰向けを試してみたい人
- 横向きより仰向けがのほうが楽
- 寝具で姿勢を調整したい。
左向きを試してみたい人
- 夜間の胸やけが気になる
- 胃酸の逆流が気になる
横向きを試してみたい人
- 仰向けでいびきが出る
- 仰向けで呼吸がしづらいと言われる
つまり、
「万人にとって最高の寝方」は存在しません。
大切なのは、自分の体調や悩みに合わせて寝方を選ぶことです。
寝る向きだけで、誰でも睡眠の質が大きく変わるわけではありません。
ただし、胃酸の逆流やいびきなど、特定の症状がある人では、寝る向きが睡眠の快適さや睡眠中の呼吸に影響することがあります。
実は、寝る向きを固定しすぎないことも大切
ここまで寝る向きについて解説してきましたが、睡眠中は自然に寝返りを打ちます。
寝返りには、
- 同じ部位にかかる圧力を分散する
- 体の接触面や姿勢を変えることで、体温調節にも関係する
- 睡眠中の体の負担を調整する
といった役割があると考えられています。
姿勢を変えることで、体にかかる圧力や組織の血流などが変化することが研究で確認されています。
参考:PubMed
つまり、
「一晩中ずっと同じ向きで寝る」
ことを意識するより、自然に寝返りが打てる環境を整えることも大切です。
寝返りがしにくい原因として、
- 柔らかすぎるマットレス
- 狭いベッド
- 高すぎる枕
なども考えられます。
寝方だけでなく、寝具が自分に合っているかを見直すことも一つの方法です。
寝返りが多いと「眠りが浅いのでは?」と心配する人もいますが、実は必ずしもそうとは限りません。
「寝ても疲れが取れないのはなぜ?考えられる7つの原因と改善方法」では、朝起きても疲れが残る原因や、睡眠の質を高めるポイントを詳しく解説しています。
寝返りや睡眠の質との関係も理解できるので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
今日からできる「自分に合った寝方」の見つけ方
寝方に正解はありませんが、意識して眠る向きを変えてみましょう。
例えば、
- 胸焼けが気になる日は左向き
- 腰が張る日は仰向け+膝の下にクッション
- いびきが心配な日は横向き
といったように、その日の体調に合わせて試してみるのがおすすめです。
また、朝起きた時に
- 体が軽いか
- 首や腰が痛くないか
- スッキリ目覚められたか
を記録してみると、自分に合った寝方が見えてきます。
睡眠は人生の約3分の1を占める大切な時間です。
毎日何気なく取っている寝る姿勢を少し見直すだけで、翌朝の目覚めや寝起きの体の感覚が変わるかもしれません。
なお、大きないびき、睡眠中に呼吸が止まる、日中に強い眠気があるといった場合は、寝る向きを変えるだけで済ませず、医療機関への相談を検討してください。
ぜひ今日から、自分の体に合った寝方を見つけてみてください。
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