「毎日8時間寝たほうがいい」
そんな話を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
一方で、6時間程度でも朝から元気に感じる人がいます。
逆に、8時間寝ても眠気が取れず、昼間にぼんやりしてしまう人もいます。
では、本当に必要な睡眠時間は「8時間」なのでしょうか。
実は、睡眠時間には個人差があります。
年齢や生活習慣、体調などによっても変化します。さらに、「何時間寝たか」だけではなく、「日中にどれだけ眠気なくすごせるのか」も、自分に合った睡眠時間を考えるうえで大切なポイントです。
この記事では、一般的な睡眠時間の目安を確認しながら、実際の生活の中で「自分に必要な睡眠時間」を見つける方法を紹介します。
そもそも「自分に必要な睡眠時間」とは?
まず知っておきたいのが、必要な睡眠時間は人によって違うということです。
睡眠時間には個人差があります。
たとえば、同じ30代でも、毎日7時間程度で自然に目覚める人もいれば、8時間以上必要な人もいます。
さらに、同じ人でも睡眠時間は一定ではありません。
仕事が忙しかった時期。
運動量が増えた時期。
体調を崩した後。
精神的な負担が大きかった時期。
こうした状況では、普段より長く眠りたくなることがあります。
つまり、「自分はいつも〇時間寝ればいい」と完全に固定するのは難しいのです。
年齢によっても必要な睡眠時間は変わる
睡眠時間を考えるとき、年齢も無視できません。
米国睡眠医学会と睡眠研究学会の共同コンセンサスでは、成人は少なくとも7時間の睡眠を規則的に確保することが健康維持のために推奨されています。
参考:PubMed
一方、10代では成人より長い睡眠時間が必要とされています。
ここで大切なのは、「7時間あれば全員OK」という意味ではないことです。
7時間は成人にとっての一つの目安です。
7時間で日中の眠気が強いなら、それがその人に十分な睡眠時間とは限りません。
反対に、休日になると毎回10時間以上眠ってしまうなら、平日の睡眠が足りていない可能性も考えられます。
睡眠時間より「昼間の自分」を観察してみる
自分に合った睡眠時間を探すとき、時計だけを見るのはおすすめできません。
見るべきなのは、起きた後の状態です。
たとえば、次のような状態をチェックしてみてください。
- 朝、目覚ましが鳴る前に自然に目が覚める
- 起床後、比較的スムーズに活動できる
- 午前中に強い眠気がない
- 昼食後以外の時間帯に、強い眠気で困ることがない
- 仕事や勉強中にウトウトしない
- 休日に極端な寝だめをしない
- 夕方まで大きな眠気が続かない
このような状態が安定しているなら、現在の睡眠時間が自分に合っている可能性があります。
逆に、毎日コーヒーやエナジードリンクなどで眠気をごまかしている場合は注意が必要です。
「眠くないから大丈夫」とは限りません。
カフェインによって眠気を感じにくくなっている可能性もあるからです。
自分に合った睡眠時間を考える「3つのチェックポイント」
ここからが本題です。
自分に必要な睡眠時間を考えるときは、次の3つを確認してみましょう。
1.朝、自然に目が覚めるか
まずは朝です。
目覚まし時計がなければ起きられないのか。
それとも、目覚ましが鳴る前後に自然と目が覚めるのか。
もちろん、自然に目覚めることだけで睡眠時間の適否を判断することはできません。
ただし、毎朝何度も目覚ましを止めてしまう状態が続いているなら、睡眠時間が足りていない可能性の一つとして考えられます。
特に、休日になると平日より何時間も長く寝てしまう場合は、普段の睡眠時間を見直すきっかけになります。
2.日中に眠気がないか
次に確認したいのが昼間です。
「昼食後に少し眠くなる」という程度なら珍しくありません。一方で、運転中など、本来眠ってはいけない場面で強い眠気が出る場合は注意が必要です。
特に、座っているとすぐ眠くなる。
テレビを見ていると寝落ちする。
読書をしていると意識が飛ぶ。
こうした状態が頻繁に起きるなら、睡眠時間だけでなく睡眠の質や睡眠障害なども含めて考える必要があります。
「ちゃんと寝ているのに、なぜか疲れが取れない」という人へ
睡眠時間は足りているはずなのに、朝から疲れを感じる場合は、睡眠時間以外に原因があるのかもしれません。
▷寝ても疲れが取れないのはなぜ?考えられる7つの原因と改善方法
3.休日の寝だめが必要か
最後は休日です。
平日は6時間しか寝ていない。
土曜日になると10時間寝る。
日曜日も昼近くまで寝てしまう。
もしこのようなパターンが続いているなら、「自分は6時間睡眠で足りている」と判断するのは早いかもしれません。
休日の長い睡眠は、平日の睡眠不足を補っている可能性があります。
ただし、休日の睡眠時間だけで睡眠不足の有無を断定することもできません。
普段の眠気や起床時の状態と合わせて考えることが大切です。
「休日になると、なぜあんなに眠れるの?」と思った方へ
平日は起きられるのに、休日になると何時間でも寝られる。
そこには、普段の睡眠時間だけでは見えない理由があります。
普段の睡眠を振り返るきっかけとして、こちらの記事も参考にしてみてください。
実際に「自分の睡眠時間」を測ってみる方法
では、具体的にどうやって自分に合った睡眠時間を探せばいいのでしょうか。
おすすめなのは、一定期間、自分の睡眠と日中の状態を記録する方法です。
難しいことをする必要はありません。
スマートフォンのメモでも十分です。
記録する項目は、次のようなもので構いません。
- ベッドに入った時刻
- 眠ったと思う時刻
- 起きた時刻
- 目覚ましを使ったか
- 昼間の眠気
- 昼寝をしたか
- カフェインを飲んだ時間
- 休日の睡眠時間
これを1日だけ記録しても、あまり意味がありません。
まずは1週間程度、できれば週末も含めて記録すると、自分のパターンが見えやすくなります。
睡眠時間は少しずつ調整してみる
もし現在の睡眠時間が明らかに足りないと感じるなら、いきなり大幅に変える必要はありません。
たとえば現在6時間しか寝ていない人なら、まず就寝時間を15~30分ほど早めてみます。
それを数日続けます。
朝の目覚めはどうか。
昼間の眠気はどうか。
仕事や勉強の集中力はどうか。
休日の寝だめは減ったか。
こうした変化を確認します。
まだ眠気が強いなら、さらに少し睡眠時間を増やします。
このように、自分の状態を見ながら調整していく方法があります。
ただし、睡眠時間を増やしても強い眠気が続く場合は、「もっと寝れば解決する」と決めつけないことも大切です。
「8時間寝ればいい」は本当なのか?
睡眠について語るとき、「8時間」という数字がよく登場します。
しかし、8時間はすべての成人に当てはまる絶対的な数字ではありません。
必要な睡眠時間には個人差があります。
しかも、睡眠時間だけで健康状態を判断することはできません。
たとえば8時間ベッドに入っていても、何度も目が覚めている場合があります。
一方で、7時間程度でも睡眠が安定していて、日中の機能に問題がない人もいます。
そのため、
「8時間寝なければダメ」
と考えてしまうと、かえって睡眠に対するプレッシャーが強くなることがあります。
睡眠時間は「目標として絶対守る数字」というより、「自分の状態を確認するための目安」と考えると分かりやすいでしょう。
長く寝れば寝るほど健康になるわけではない
ここで一つ注意したいことがあります。
「短い睡眠がダメなら、長く寝ればいい」
という単純な話でもありません。
成人では、慢性的に7時間未満の睡眠は健康上の問題と関連することが知られています。
ただし、長時間睡眠そのものが原因なのか、それとも別の健康状態が長時間睡眠につながっているのか。
この点は単純には判断できません。
つまり、「長く寝れば寝るほど健康」という考え方も避けた方がよいでしょう。
自分に必要な睡眠時間を考えるときは、「短すぎないか」だけではなく、「日中に問題なく活動できているか」まで見ることが大切です。
睡眠時間を決めるときに忘れたい「昨日の睡眠」
睡眠時間を探していると、
「昨日は6時間しか寝ていない」
「今日は7時間しか寝ていない」
と、毎日の数字が気になってしまうことがあります。
しかし、睡眠は1日単位だけで考えると、かえってわかりにくくなります。
昨日だけ短かった。
今日は長く寝た。
そんな日もあります。
大切なのは、一定期間の傾向です。
特に見るべきなのは、「何時間寝たか」と「翌朝の状態」の組み合わせです。
7時間寝た日は調子がいい。
6時間の日は午後から眠い。
8時間寝ても眠気が強い。
このような違いを記録すると、自分の睡眠時間を考える材料になります。
「寝たはずなのに眠い」という人はこちらもチェック
十分寝ているつもりなのに、朝から眠い。
昼間も眠い。
そんな場合は、単純な睡眠時間の問題ではない可能性があります。
▷寝不足で脳に起こる恐ろしい変化|知らないと危険な睡眠不足の真実
睡眠時間だけでなく、睡眠の状態にも目を向けてみましょう。
自分に必要な睡眠時間を見つける簡単な流れ
最後に、実践しやすい形にまとめてみます。
STEP1 現在の睡眠時間を確認する
まずは普段、何時間くらい眠っているのか確認します。
就寝時刻と起床時刻を記録しましょう。
STEP2 日中の眠気をチェックする
午前中、午後、夕方。
それぞれの時間帯で眠気があるか記録します。
STEP3 休日の睡眠時間を見る
休日に何時間眠るのか確認します。
平日との差が大きい場合は、その理由を考えてみましょう。
STEP4 少しずつ睡眠時間を調整する
必要に応じて、就寝時刻を少し早めます。
一気に生活リズムを変えるより、無理なく続けられる方法を選びます。
STEP5 日中の状態で判断する
最終的には、睡眠時間の数字だけではなく、日中の眠気や活動状態を確認します。
「何時間寝たか」だけではなく、
「その睡眠で翌日どうすごせたか」
を見るわけです。
それでも眠気が強いときは?
十分な睡眠時間を確保しているのに、日中の強い眠気が続く。
大きないびきがある。
睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された。
朝起きた時に強い頭痛がある。
こうした場合は、睡眠時間だけを増やして解決しようとしないほうがよいでしょう。
睡眠時無呼吸など、睡眠そのものに問題が隠れている可能性があります。
強い日中の眠気が続いている場合は、医療機関への相談も選択肢になります。
あなたに必要な睡眠時間は「数字」だけでは決まらない
「自分に必要な睡眠時間は何時間?」
この質問に対して、全員に同じ数字を答えることはできません。
成人の場合、まず7時間以上という一般的な目安があります。
そこから、自分の年齢や生活状況、起床時の状態、日中の眠気、休日の睡眠などを見ていきます。
大切なのは、「〇時間寝る」という数字に自分を無理に合わせることではありません。
眠った後に、きちんと起きられるか。
日中に強い眠気がないか。
仕事や勉強に集中できるか。
休日に極端な寝だめを必要としていないか。
こうしたサインを一つずつ確認していくことです。
そして、睡眠時間を増やしても日中の強い眠気が続くなら、睡眠時間以外の原因にも目を向けます。
自分に合った睡眠時間は、時計の数字だけでは見つかりません。
眠った時間と翌日の自分をセットで観察する。
これが、自分の睡眠を知る一番シンプルな方法です。
今夜から、まずは就寝時刻と起床時刻を記録してみてください。
数日後には、これまで気づかなかった自分の睡眠パターンが見えてくるかもしれません。
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