「夜コーヒーは飲まないようにしているのに、なぜか眠れない….」
そんな経験はありませんか?
睡眠の敵と聞くと、真っ先に思い浮かぶのがカフェインです。
コーヒー、紅茶、エナジードリンク、食べ物でいうとチョコレートなどを夕方以降に控えるのは、確かに睡眠対策として大切です。
しかし、実は眠りを邪魔する可能性があるのはカフェインだけではありません。
夕食で何気なく食べているものや、「寝る前にちょっとだけ」口にしているものが、胃腸の働きや体温、血糖値、胃酸の逆流などを通して、眠りに影響することがあります。
つまり、睡眠の質を考えるなら「何を飲むか」だけでなく、何をいつ食べるかにも注目する必要があります。
今回は、意外と見落としやすい「眠りの邪魔をする食べ物」を中心に、寝る前におすすめな食べ物や食べ方まで詳しく解説します。
- カフェインだけではない?食べ物と睡眠の意外な関係
- 1.チョコレートは「お菓子だから大丈夫」とは限らない
- 2.脂っこい食べ物は「満腹感」が睡眠の邪魔をすることも
- 3.辛い食べ物は「体を温めるから眠れる」とは限らない
- 4.意外な伏兵?トマトや柑橘類にも注意したいケース
- 5.「健康食品」でも夜に大量に食べれば別問題
- 6.夜中の「ドカ食い」が眠りを壊しやすい理由
- 7.高糖質の夜食は「眠くなるから大丈夫」ではない
- 8.アルコールは「眠くなるのに眠りを邪魔する」という不思議
- では、寝る前には何を食べればいい?
- 睡眠のために覚えておきたい「3つの食事ルール」
- 「眠れない原因=カフェイン」と決めつけないことが大切
- まとめ|眠りを守るなら「何を食べるか」+「いつ食べるか」
カフェインだけではない?食べ物と睡眠の意外な関係
まず知っておきたいのは、食べ物が睡眠に影響する仕組みは一つではないということです。
カフェインの場合は、眠気を感じさせるアデノシンという物質の働きを邪魔することで、眠気が弱くなるといわれています。
参考:PubMed
睡眠不足による悪影響をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
一方、別の食品では、
- 胃腸に負担をかける
- 胃酸の逆流を起こしやすくする
- 体温や発汗に影響する
- 血糖値を大きく変動させる
- 消化に時間がかかる
といった経路から、眠りに影響する可能性があります。
つまり、「カフェインが入っていないから夜に食べても大丈夫」とは限らないのです。
特に意識したいのが、食べる時間です。
同じ食品でも、朝や昼に食べるのと、眠る直前に食べるのでは体への影響が変わります。
では、具体的にどんな食品に注意すればよいのでしょうか。
1.チョコレートは「お菓子だから大丈夫」とは限らない
夜に甘いものが欲しくなった時、チョコレートを選ぶ人も多いでしょう。
しかし、チョコレートにはカカオ由来の成分としてカフェインやテオブロミンなどが含まれています。
参考:PubMed
特にカカオ含有量が高いダークチョコレートほど、こうした成分が多くなる傾向があります。
もちろん、少量を食べたから必ず眠れなくなるわけではありません。
ただし、「コーヒーは飲んでいないから大丈夫」と思って、寝る直前に高カカオチョコレートをたくさん食べるのは、睡眠という意味ではあまり得策とはいえません。
さらにチョコレートは脂質や糖質も含むため、量が多くなれば消化の負担にもなります。
夜のおやつとして食べるなら、量と時間を意識したい食品です。
私は、寝る前にどうしても空腹を感じた時は、バナナを少量食べることがあります。
ただし、バナナが睡眠を改善するとは限らないため、あくまで空腹を落ち着かせるための選択肢の一つとして考えています。
2.脂っこい食べ物は「満腹感」が睡眠の邪魔をすることも
夜に食べるラーメン、唐揚げ、フライドポテト、脂身の多い肉。
どれも魅力的ですが、眠る直前の食事としては注意したい食品です。
脂質の多い食品は、消化に時間がかかることがあります。
お腹いっぱい食べた直後に布団へ入ると、「眠いのに胃が重い」「横になると苦しい」という状態になることがあります。
さらに、脂っこい食事を大量に食べることは、胃食道逆流症の症状を悪化させる要因の一つとしても知られています。
参考:NIDDK
胃酸が逆流して胸やけや不快感が出れば、当然ながら眠りにも影響します。
ここで重要なのは、「脂質=悪」ではないことです。
脂質は体に必要な栄養素です。
問題なのは、眠る直前に大量に食べること。
夕食を適量にして、就寝まである程度時間を空けるだけでも、胃腸への負担を減らしやすくなります。
3.辛い食べ物は「体を温めるから眠れる」とは限らない
唐辛子を使った料理など、辛い食べ物も夜には注意が必要です。
「辛い物を食べると体がポカポカするから、眠りやすくなるのでは?」
と思うかもしれません。
確かに、眠る前には深部体温が自然に下がっていくことが、眠気と関係しています。
辛い食事が体温や睡眠に影響する可能性を示した研究もあります。
辛い物が好きな方は、完全に禁止する必要はありません。
ただし、寝る直前ではなく、できるだけ夕食の早い時間帯に楽しむ方が無難でしょう。
4.意外な伏兵?トマトや柑橘類にも注意したいケース
健康的な食品として知られているトマトやオレンジ、グレープフルーツなど。
「健康に良いものなのに、なぜ睡眠の話に出てくるの?」
と思うかもしれません。
もちろん、これらの食品そのものが「眠りを悪くする食品」という意味ではありません。
注意したいのは、胃酸の逆流が起こりやすい方です。
酸味の強い食品を食べた後に胸やけや胃酸の逆流を感じる人の場合、就寝直前にこうした食品を大量に食べると、不快感によって眠りに入りにくくなる可能性があります。
つまり、食品には「万人に共通するNG食品」と「人によって注意したい食品」があります。
自分の身体が何に反応するのかを知ることも、睡眠改善では大切です。
自分の身体を理解することも大切ですが、睡眠について知識を深めておくことも役立ちます。
睡眠について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
5.「健康食品」でも夜に大量に食べれば別問題
ナッツ、ヨーグルト、フルーツなどは、一般的に健康的な食品として知られています。
しかし、「健康に良い=寝る直前にいくら食べてもいい」というわけではありません。
例えばナッツは栄養価が高い一方で、脂質も多く含む食べ物です。
ヨーグルトも人によっては胃腸の状態によって悪影響になる可能性もあります。
フルーツも種類によって糖質を多く含みます。
ここでも重要なのは、食品の善悪だけで判断しないこと。
「これは健康食品だから夜中に食べても問題ない」と考えるより、「今の時間に、この量を食べる必要があるのか?」と考える方が睡眠管理には役立ちます。
6.夜中の「ドカ食い」が眠りを壊しやすい理由
ここまでさまざまな食品を紹介してきましたが、食品の種類だけでなく、食べる量や時間も睡眠との関係を考えるうえで重要です。
参考:PubMed
例えば、夕食を軽めに済ませて、寝る直前に大量のラーメンを食べる。
これは睡眠にとってかなり負担になります。
食べ物が胃に入ると、消化のために消化器官が働きだします。
その状態で横になれば、胃もたれや胸やけなどの不快感が起こりやすくなります。
また、夜遅い時間帯に大量のエネルギーを摂取する習慣は、体重管理や代謝リズムという面でも好ましくない場合があります。
「眠れないから何か食べる」
という行動にも注意が必要です。
一度なら大きな問題にならなくても、「眠れない→食べる→胃が働く→さらに眠れない」という流れが習慣化すると、睡眠と夜食がセットになってしまうことがあります。
眠れない夜ほど、まず「本当にお腹が空いているのか?」を考えてみましょう。
7.高糖質の夜食は「眠くなるから大丈夫」ではない
ごはん、パン、麺類、お菓子などの糖質を多く含む食品を食べると、食後に眠気を感じることがあります。
そのため、
「寝る前に炭水化物を食べれば眠れるのでは?」
と考える方もいるでしょう。
大量の糖質を一気に摂取すれば、血糖値が大きく変動することがあります。
また、菓子パンやケーキ、アイスなどは糖質だけでなく脂質も多く含む場合があります。
夜中に「甘いもの+脂っこいもの」を大量に食べる習慣は、睡眠だけでなく体重管理の面でも見直したいところです。
どうしても空腹で眠れない場合は、量を控えめにして、消化の負担が少ないものを選ぶという考え方が現実的です。
他にも就寝前に良くないとされるものがいろいろあります。
睡眠の質を下げるようなことをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてくだい。
▷睡眠の質を下げるNG習慣10選|知らないうちにやっている悪習慣とは?
8.アルコールは「眠くなるのに眠りを邪魔する」という不思議
食べ物とは少し違いますが、夜の睡眠を考えるうえで、外せないのがアルコールです。
「お酒を飲むと眠くなるから、寝つきが良くなる」
これは確かに一部では感じられることがあります。
しかし、「寝付きやすいこと」と「質の良い睡眠が取れること」は同じではありません。
アルコールには睡眠の構造や夜間の覚醒、いびきなどに影響する可能性があります。
参考:NIAAA
そのため、「寝酒をすればぐっすり眠れる」という考え方には注意が必要です。
眠るためにお酒を使うことが習慣になっている場合は、睡眠そのものを見直すことが大切です。
では、寝る前には何を食べればいい?
ここまで「避けたい食品」を紹介してきました。
では、夜にどうしてもお腹が空いたときはどうすればいいのでしょうか。
空腹で眠れない場合は、私はバナナを半分とか少量食べることがあります。
ただし、これはあくまで私自身の選択で、睡眠を改善する食品として紹介しているわけではありません。
もし、残ったバナナはラップして冷蔵庫に入れておきます。
基本的には、満腹になるまで食べないことがポイントです。
空腹で眠れない場合は、消化の負担が少なく、量を調整しやすい食品を少量選ぶ方法があります。
例えば、
- 暖かい飲み物
- 少量のヨーグルト
- 消化しやすい食品
- 少量の果物
などが候補になります。
ただし、これも「全員にとって正解」というわけではありません。
乳製品が合わない方もいますし、酸味のある食品で胸やけが起こる方もいます。
だからこそ、「睡眠に良い食品ランキング」をそのまま信じるより、自分の体調と食べる時間をセットで考えることが大切なのです。
睡眠のために覚えておきたい「3つの食事ルール」
ここまでの話を、簡単なルールにまとめてみましょう。
ルール1 寝る前のドカ食いは避ける
まず意識したいのが、寝る直前の大量の食事を避けることです。
食品の種類を細かく気にする前に、寝る直前の大量の食事を避けることを意識しましょう。
特に脂っこい料理や大量の麺類、揚げ物などは、夜遅くにたくさん食べないほうが安心です。
ルール2 カフェインは「飲み物だけ」と思わない
カフェインはコーヒーだけに含まれているわけではありません。
カフェインを含む食品・飲料には、コーヒーだけでなく、お茶類、エナジードリンク、チョコレートなどもあります。
「コーヒーを飲んでいないから大丈夫」と思っていた方は、普段食べているものまで一度確認してみると良いでしょう。
ルール3 自分の「睡眠を邪魔する食品」を見つける
最後に、これが意外と重要です。
人によって体質は違います。
ある人には問題ない食品でも、別の人には胃もたれや胸やけを起こすことがあります。
そこでおすすめなのが、「食事と睡眠の記録」です。
夕食の内容、食べた時間、夜食の有無、寝付くまでの時間、夜中に目覚めた回数などを簡単に記録しましょう。
数日から数週間続けてみると、「この料理を遅い時間に食べた日は眠りが浅い気がする」といった自分なりのパターンが見えてくることがあります。
細かいようですが、寝付けない原因がわかるかもしれません。
「眠れない原因=カフェイン」と決めつけないことが大切
眠らないとき、多くの人はまず「コーヒーを飲んだからかな?」と考えます。
もちろんカフェインは重要なポイントです。
しかし、睡眠はそんなに単純ではありません。
夕食の時間が遅かった。
脂っこいものをたくさん食べた。
寝る直前にチョコレートを食べた。
辛い料理を食べた。
お酒を飲んだ。
夜中にお腹が空いて大量に食べた。
こうした小さな習慣が重なって、眠りに影響している可能性があります。
そして、ここで覚えておきたいのが、食べ物そのものより、食べるタイミングと量が重要になる場合があるということです。
健康に良い食品でも、寝る直前に大量に食べれば負担になることがあります。
反対に、普段は控えたい食品でも、昼間に適量を食べるのであれば、夜の睡眠とはそれほど問題にならない場合もあります。
まとめ|眠りを守るなら「何を食べるか」+「いつ食べるか」
睡眠を邪魔する食べ物というと、カフェインばかりが注目されがちです。
しかし実際には、チョコレート、脂っこい料理、辛い食べ物、酸味の強い食品、糖質の多い夜食など、状況によって睡眠に影響し得る食品はいろいろあります。
さらにアルコールも、「眠くなるから睡眠に良い」とは限りません。
ついつい、お酒を飲んでいくにつれ、量が多くなりがちなので、飲酒もほどほどの量を飲むことをおすすめします。
だからといって、「夜は何も食べてはいけない」という話ではありません。
何を楽しみに生きているのかもわからなくなってしまいます。(笑う)
大切なのは、自分の体に合った食べ方を見つけることだと思います。
特に、
「寝る直前に大量に食べない」
「カフェインを飲み物だけだと思わない」
「脂っこいものや刺激の強いものを夜遅くに食べ過ぎない」
「自分がどの食品を食べた日に眠りにくいのか観察する」
このあたりを意識するだけでも、夜の食習慣を見直すきっかけになります。
眠りは、布団に入った瞬間から始まるものではないと思っています。
その日の朝に何を食べ、昼に何を食べ、夜に何を食べ、何時に食事を終えたのか。
そんな一日の積み重ねが、夜の眠りにつながっていると思います。
「今日はコーヒーを飲んでないから大丈夫」
そう思った夜こそ、冷蔵庫やお菓子の袋を一度見てみてください。
もしかすると、あなたの眠りを邪魔していた意外な犯人が、そこに隠れているかもしれません。
関連記事
▷睡眠の質を下げるNG習慣10選|知らないうちにやっている悪習慣とは?

参考・出典
1. Adenosine, caffeine, and sleep-wake regulation: state of the art and perspectives|PubMed
アデノシンとカフェイン、睡眠・覚醒について
2. Caffeine and theobromine levels in chocolate products|PubMed
チョコレートに含まれるカフェインとテオブロミンについて
3. Eating, Diet, & Nutrition for GER & GERD|NIDDK
食事と胃食道逆流症(GERD)の症状との関係について
4. Spicy meal disturbs sleep: an effect of thermoregulation?|PubMed
辛い食事が体温や睡眠に及ぼす可能性について
5. Eating Late Negatively Affects Sleep Pattern and Apnea Severity|PubMed
遅い時間の食事と睡眠パターン、無呼吸の重症度との関係について
6. Alcohol Use Disorder and Common Co-occurring Conditions|NIAAA
アルコールと睡眠などの健康への影響について
