「人生の3分の1は寝ている。」
一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
でも、本当に人生の3分の1も眠っているのでしょうか。
たとえば、85歳まで生きるとして、毎日8時間眠った場合を単純計算してみます。
8時間 × 365日 × 85年 = 248,200時間
これを年数に直すと、
248,200時間 ÷ 24時間 ÷ 365日 = 約28.3年
なんと、約28年間です。
85年のうち約28年。
毎日8時間眠る生活を続けたと仮定すると、確かに人生のおよそ3分の1を眠って過ごす計算になります。
ただし、ここで大切なのは、
「人間は必ず人生の3分の1を寝ている」という意味ではない
ということです。
毎日の睡眠時間が6時間なのか、7時間なのか、8時間なのかによって、一生の睡眠時間は大きく変わります。
この記事では、
・1日6~9時間眠ると一生で何年になるのか
・自分はこれまで何年間眠ってきたのか
・成人のレム睡眠割合を当てはめると何年になるのか
・毎日1~2時間の違いが積み重なるとどれくらいになるのか
を実際に計算してみます。
普段は「7時間寝た」「8時間寝た」と1日単位でしか考えない睡眠を、人生という大きな単位で見てみましょう。
人生の3分の1は眠っているって本当?
まずは、よく聞く「人生の3分の1」という数字から見ていきます。
1日は24時間です。
そのうち8時間眠ると、
8時間 ÷ 24時間 = 1/3
になります。
つまり、毎日8時間眠る生活なら、睡眠が1日のちょうど3分の1を占めます。
これが、
「人生の3分の1は眠っている」
と言われる理由の一つです。

・起きている時間:約56.7年
・眠っている時間:約28.3年
・毎日8時間睡眠として計算
85年間で考えると、
起きている時間:約56.7年
眠っている時間:約28.3年
になります。
こうして人生全体で見ると、睡眠が占める時間の大きさがよく分かります。
1日6時間・7時間・8時間・9時間では何年違う?
では、睡眠時間を変えてみましょう。
85年間、毎日同じ時間眠ったと仮定して単純計算すると、かなり大きな差が生まれます。
| 1日の睡眠時間 | 85年間で眠る時間 | 人生に占める割合 |
| 6時間 | 約21.3年 | 25% |
| 7時間 | 約24.8年 | 約29.2% |
| 8時間 | 約28.3年 | 約33.3% |
| 9時間 | 約31.9年 | 37.5% |
6時間睡眠と8時間睡眠では、一生の睡眠時間に約7年の差があります。
8時間睡眠と9時間睡眠でも、約3.5年違います。
もちろん、実際には子どもの頃と大人になってからでは睡眠時間が違いますし、毎日まったく同じ時間眠る人もいません。
そのため、この数字はあくまで、
「もし85年間ずっと同じ睡眠時間だったら?」
という計算です。
それでも、毎日の1時間、2時間という差が、人生単位では「数年」になるのは面白いところです。
「8時間眠るのが正解」という意味ではない
ここは誤解しやすいところです。
この記事では計算を分かりやすくするために「1日8時間」を例にしていますが、
すべての人に8時間の睡眠が必要という意味ではありません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、必要な睡眠時間には個人差があることが示されています。
必要な睡眠時間には個人差があり、年齢によっても変化します。
そのため、
「28年間眠るのが正しい」
という記事ではなく、
「毎日の睡眠時間を人生単位にすると、どのくらいになるのか」
を楽しむための数字として見てください。
普段の睡眠についてもう少し詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
あなたはこれまで何年間眠ってきた?
ここからは、自分の場合を計算してみましょう。
計算方法はとても簡単です。
【自分の睡眠年数を計算する式】
現在の年齢 × 1日の平均睡眠時間 ÷ 24
たとえば、現在40歳で、平均7時間眠っているとします。
40 × 7 ÷ 24 = 約11.7年
単純計算では、
40年間のうち約11年8か月を眠って過ごした
ことになります。
50歳で平均7時間なら、
50 × 7 ÷ 24 = 約14.6年
60歳なら、
60 × 7 ÷ 24 = 約17.5年
もちろん、子どもの頃からずっと7時間だったわけではないため、実際の睡眠時間とは異なります。
それでも、
「私は今まで何年間くらい寝てきたんだろう?」
と考える目安にはなります。
もっと簡単に計算するなら
自分の年齢に、次の数字を掛けても計算できます。
6時間睡眠 → 年齢 × 0.25
7時間睡眠 → 年齢 × 約0.292
8時間睡眠 → 年齢 × 約0.333
9時間睡眠 → 年齢 × 0.375
たとえば45歳で8時間睡眠なら、
45 × 0.333 = 約15年
です。
つまり単純計算では、これまでの人生の約15年間を眠って過ごしたことになります。
成人のレム睡眠割合を当てはめると何年?
さらに睡眠の中身を分けてみると、面白い数字が出てきます。
睡眠には、大きく分けて
・ノンレム睡眠
・レム睡眠
があります。
厚生労働省の健康日本21アクション支援システムでは、成人の一晩の睡眠ではレム睡眠が全体のおよそ20%を占めると解説されています。
そこで先ほどの、
「85年間・毎日8時間睡眠=約28.3年間」
を使って計算してみます。
28.3年 × 20% = 約5.7年
成人のレム睡眠割合をそのまま85年間に当てはめて単純計算すると、約5.7年になります。
ただし、これは実際に「人生のうち5.7年間がレム睡眠になる」という意味ではありません。
レム睡眠の割合は年齢などによって変化するため、あくまで成人の約20%という数字を使った計算例です。
残りのおよそ22.6年間は、単純化すれば主にノンレム睡眠という計算になります。

睡眠:約28.3年
↓
レム睡眠
約5.7年
ノンレム睡眠など
約22.6年
※成人のレム睡眠を睡眠全体の約20%として単純計算したイメージです。年齢や一晩ごとの睡眠状態によって割合は変わります。
「レム睡眠とノンレム睡眠って、そもそも何が違うの?」
という方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
▷レム睡眠・ノンレム睡眠の違いとは?眠っている間に脳で起きている驚きの秘密
毎日1時間違うだけでも、1年間では15日以上になる
次は、毎日の小さな時間差を年間にしてみましょう。
たとえば、
7時間眠る日
8時間眠る日
では、1日あたり1時間の差です。
たった1時間ですが、365日続けば、
1時間 × 365日 = 365時間
になります。
365時間を日数に換算すると、
365 ÷ 24 = 約15.2日
です。
つまり、毎日1時間の差でも、1年間では約15日分の時間になります。
| 1日当たりの差 | 1年間では | 日数に換算 |
| 1時間 | 365時間 | 約15.2日 |
| 2時間 | 730時間 | 約30.4日 |
| 3時間 | 1,095時間 | 約45.6日 |
2時間違えば、年間では約30日。
3時間違えば、年間では約46日。
こうして数字にすると、
「毎日の1時間」
と
「1年間の365時間」
では、かなり印象が違います。
ただし、これは単純に「時間の差」を計算したものです。
睡眠時間が長いほど良い、短いほど悪いという意味ではありません。
10年間ではさらに大きな数字になる
毎日1時間の違いを10年間続けると、
1時間 × 365日 × 10年
= 3,650時間
日数では約152日です。
毎日2時間なら、
2時間 × 365日 × 10年
= 7,300時間
日数では約304日。
約304日、約10か月分になります。
もちろん、現実には10年間ずっと同じ生活をするわけではありません。
それでも、
1日の小さな時間が、長い年月では大きな数字になる
ことが分かります。
睡眠時間が少ない日が積み重なる「睡眠負債」という考え方についてはこちらで詳しく紹介しています。
睡眠は「毎日の時間」で見るか「人生の時間」で見るかで印象が変わる
普段、
「昨日は7時間寝た」
と言われても、それほど大きな数字には感じません。
しかし、同じ7時間を85年間続けたと仮定すると、
約24.8年
になります。
毎日の睡眠時間を人生単位に変換すると、一気に印象が変わります。

1日では
7時間
↓
85年間なら
約24.8年
普段は時計で考えている睡眠時間も、人生全体で見ると「年」という単位になります。
これがこの記事で一番伝えたいポイントです。
数字で見る「人生と睡眠」
ここまでの数字をまとめてみましょう。
・85年間、毎日6時間眠ると約21.3年
・85年間、毎日7時間眠ると約24.8年
・85年間、毎日8時間眠ると約28.3年
・85年間、毎日9時間眠ると約31.9年
・8時間睡眠なら人生のおよそ3分の1
・85年間8時間眠った場合、レム睡眠を約20%として計算すると約5.7年
・毎日1時間の差は、1年間で約365時間
・毎日2時間の差は、1年間で約730時間
・現在までの睡眠年数は「年齢 × 平均睡眠時間 ÷ 24」で簡単に計算できる
こうして並べると、毎日当たり前のように過ごしている睡眠時間が、かなり大きな数字に見えてきます。
あなたなら人生の何年間を眠る?
最後に、もう一度計算してみてください。
あなたの1日の平均睡眠時間は何時間でしょうか。
6時間?
7時間?
8時間?
それとも9時間でしょうか。
たとえば85歳までの時間で計算するなら、
85 × 自分の平均睡眠時間 ÷ 24
です。
7時間なら約24.8年。
8時間なら約28.3年。
数字にしてみると、
「こんなに眠っているのか」
と驚く人もいれば、
「思ったより少ない」
と感じる人もいるかもしれません。
睡眠は毎日の出来事なので、一晩だけを見ているとその長さを意識することはほとんどありません。
しかし、人生という長い単位に置き換えると、その見え方は大きく変わります。
今夜布団に入ったとき、
「今日の7時間も、人生の約25年間につながっているのか」
と思い出してみると、いつもの睡眠が少し違って見えるかもしれません。
まとめ
「人生の3分の1は眠っている」という話は、毎日8時間眠ると仮定すれば、計算上ほぼその通りになります。
85年間なら約28.3年です。
ただし、実際の睡眠時間は人によって違い、年齢によっても変化します。
そのため、
「人間は必ず28年間眠る」わけではありません。
大切なのは、28年という数字そのものより、
毎日の数時間を人生単位に変えると、何十年という大きな時間になる
ということです。
ぜひ、
「自分はこれまで何年間眠ってきたのか?」
も計算してみてください。
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参考・出典
・厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「レム睡眠」
※本文中の年数・時間については、各条件を仮定した単純計算です。


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