睡眠不足で血圧は上がる?寝不足・寝すぎが招く意外なリスク

睡眠

「寝不足の日は、血圧も上がりやすいの?」

「反対に、長く寝すぎるのもよくない?」

睡眠時間と血圧について調べると、このような疑問を持つことがあります。

結論からいうと、睡眠不足と血圧には関係があることが分かっています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、極端に短い睡眠が続くことと、高血圧などの健康リスクとの関連が紹介されています。

ただし、

「一晩寝不足になったら高血圧になる」

という単純な話ではありません。

また、長く眠る人で健康上の問題が多くみられる研究もありますが、長時間睡眠そのものが原因とは限りません。

この記事では、睡眠不足・長時間睡眠と血圧の関係を、できるだけシンプルに整理します。

血圧は一日の中でも変化している

血圧は、一日中同じではありません。

一般的には、

朝に上がる → 日中は高め → 夜から睡眠中は低くなる

という変化があります。

国立循環器病研究センターでも、通常は朝の目覚めとともに血圧が上昇し、夜間・睡眠中には低くなると説明されています。

 

睡眠不足と血圧には関係がある

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠時間が極端に短いと、高血圧を含むさまざまな健康リスクが高まることが報告されています。

ただし、ここで大切なのは、

「寝不足=すぐに高血圧」ではない

ということです。

研究で調べられているのは、主に睡眠時間や睡眠習慣と健康状態との関係です。

一晩だけではなく、普段どのくらい眠れているかを見る必要があります。

睡眠の状態 考え方
一晩だけ寝不足 それだけで高血圧になるとはいえない
短い睡眠が続いている 高血圧などとの関連が報告されている
必要な睡眠がとれている 睡眠時間だけでなく休養感も確認する

短い睡眠が何日も続くときは、一晩の寝不足だけでなく、睡眠不足が積み重なっている可能性も考えられます。

睡眠不足が続く仕組みについては、「睡眠負債とは?最新研究からわかる健康へのリスク」

の記事でも詳しく紹介しています。

睡眠中の血圧はどう変わる?

起きて活動している時間と、眠っている時間では、体の状態が違います。

睡眠中は体が休息する時間となり、通常は血圧も日中より低くなります。

つまり睡眠は、単に「頭を休ませる時間」だけではなく、体全体の一日のリズムにも関係しています。

 

では「寝すぎ」はどうなの?

睡眠については、

「短すぎても長すぎてもよくない」

と聞くことがあります。

実際、自己申告による睡眠時間を調べた研究では、短時間睡眠だけでなく長時間睡眠でも、健康状態との関連が報告されています。

しかし、ここには注意が必要です。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、脳波や活動量計を使って実際の睡眠時間を調べた研究では、長時間睡眠と健康状態との関連がほとんど見られなくなることも紹介されています。

つまり、

「長く寝たから健康リスクが高くなった」

とは言い切れません。

また、自己申告による睡眠時間には、実際の睡眠時間とのずれが含まれる可能性もあります。

睡眠時間 現在の考え方
短すぎる 健康リスクとの関連が報告されている
適度 必要な時間には個人差がある
長すぎる 自己申告では健康状態との関連が報告されているが、客観的な睡眠時間では関連がほぼみられない研究もある

この違いを知っておくと、

「8時間以上寝たら体に悪い」

などと単純に考えずに済みます。

成人は何時間眠ればいい?

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、

6時間以上を目安として、必要な睡眠時間を確保する

ことが示されています。

また、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間とされていますが、必要な時間には個人差があります。

そのため、

「絶対に7時間」

「8時間寝れば十分」

という決まりではありません。

睡眠時間と合わせて、

  • 朝に休んだ感じがあるか
  • 日中に強い眠気がないか
  • 短い睡眠が続いていないか
  • 休日だけ極端に長く寝ていないか

などを見ると、自分の睡眠を把握しやすくなります。

「自分の場合は何時間くらい眠ればいいのだろう?」と気になる場合は、「自分に合った睡眠時間の見つけ方|あなたに必要な睡眠時間は?」の記事で、7日間の記録から確認する方法を紹介しています。

1週間の睡眠を見える化してみる

睡眠は、一日だけを見るよりも数日間の流れを見るほうが分かりやすくなります。

たとえば、次のように1週間だけ記録してみます。

曜日 睡眠時間 朝の休養感 日中の眠気
月 5時間 △ あり
火 5時間30分 △ あり
水 6時間 △ 少しあり
木 6時間30分 〇 ほぼなし
金 5時間30分 △ 少しあり
土 7時間30分 △ あり
日 8時間 〇 なし

見るポイントは、単に「何時間寝たか」だけではありません。

短い睡眠が何日も続いていないか

朝の休養感や日中の眠気がどう変わるか

を一緒に見るのがポイントです。

睡眠時間を確保しているのに朝の休養感が少ない場合は、睡眠時間以外の要因も考える必要があります。

「十分寝ているはずなのにスッキリしない」という場合は、「寝ても疲れが取れないのはなぜ?考えられる7つの原因と改善方法」の記事も参考にしてみてください。

 

「寝不足」と「寝すぎ」を単純に比べない

睡眠時間と健康の関係を見るときに覚えておきたいのが、

短時間睡眠と長時間睡眠では、研究結果の意味が同じではない

という点です。

短時間睡眠 長時間睡眠
高血圧などとの関連が報告されている 自己申告では健康状態との関連が報告されている
客観的な測定でも不良な健康状態との関連がみられる 客観的な睡眠時間では関連がほぼみられない研究もある
短い睡眠が続いていないかを見る 「長く寝る=悪い」とは単純に判断できない

この違いを理解しておくと、睡眠時間だけを見て必要以上に心配せずに済みます。

まとめ

睡眠不足と血圧には関係があります。

特に、極端に短い睡眠が続くことと、高血圧などの健康リスクとの関連は、これまでの研究で報告されています。

一方、長時間睡眠については、

長く眠ること自体が原因なのかは分かっていません。

そのため、

「短いから危険」

「長いから危険」

と睡眠時間だけで判断するより、

睡眠時間・朝の休養感・日中の眠気をまとめて見る

ほうが、自分の睡眠状態を把握しやすくなります。

まずは1週間程度、自分の睡眠時間を記録してみると、普段の睡眠の傾向が見えてきます。

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参考・出典

・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
・厚生労働省「睡眠対策」
・国立循環器病研究センター「高血圧」

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