睡眠時無呼吸症候群とは?症状・原因・セルフチェック・治療法をわかりやすく解説

睡眠

「いびきが大きいと言われる。」

「寝ている間に呼吸が止まっていると言われた。」

「しっかり寝たはずなのに、昼間に強い眠気を感じる。」

このような経験はありませんか?

大きないびきや睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気は、睡眠時無呼吸症候群でみられることがある症状です。

ただし、いびきをかく人すべてが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

また、症状だけを見て自分で判断することもできません。

睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気なのか。

この記事では、

・睡眠時無呼吸症候群とは何か
・どのような症状があるのか
・どのような原因が関係するのか
・自宅で気づけるポイント
・病院ではどのように調べるのか
・どのような治療法があるのか

について、現在わかっていることをもとに整理します。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返す睡眠呼吸障害です。

代表的なのは、空気の通り道である上気道が狭くなったり、ふさがったりして起こる「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」です。

睡眠中に呼吸が十分にできなくなると、血液中の酸素濃度が低下したり、睡眠が途中で妨げられたりすることがあります。

そのため、睡眠時間を確保していても、日中の眠気や朝の休養感の低下などがみられる場合があります。

日本呼吸器学会では、成人男性の約3~7%、女性の約2~5%に睡眠時無呼吸症候群がみられるとしています。

決して珍しい睡眠障害ではありません。

睡眠時無呼吸症候群にはどんな種類がある?

睡眠時無呼吸には、原因によっていくつかの種類があります。

代表的なのが、次の2つです。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

もっともよくみられるタイプです。

睡眠中に上気道が狭くなり、空気が通りにくくなることで無呼吸や低呼吸が起こります。

関係する要因として、

・肥満
・首まわりの脂肪
・扁桃が大きい
・舌が大きい
・鼻の病気
・あごが小さい
・あごが後退している

などがあります。

そのため、「太っている人だけがなる病気」というわけではありません。

体重にかかわらず、あごや気道の形などが関係する場合もあります。

中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

もう一つが、中枢性睡眠時無呼吸です。

こちらは上気道がふさがることが主な原因ではなく、脳から呼吸に関わる信号が一時的にうまく送られなくなることで無呼吸が起こります。

閉塞性睡眠時無呼吸とは原因や治療方法が異なるため、どのタイプなのかは医療機関での検査によって判断されます。

睡眠時無呼吸症候群でみられることがある症状

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中だけでなく、起床後や日中にも症状がみられることがあります。

代表的なものを見てみましょう。

大きないびき

閉塞性睡眠時無呼吸では、大きないびきがみられることがあります。

特に、

「大きないびきをかいていたのに、急に静かになった」

「しばらくすると再び大きないびきをかき始めた」

と家族などから指摘されることがあります。

ただし、いびきだけで睡眠時無呼吸症候群と判断することはできません。

睡眠中の呼吸停止

本人は眠っているため、自分では気づかないことがあります。

そのため、

「寝ているときに息が止まっていたよ」

と家族やパートナーから指摘されたことが、検査を受けるきっかけになる場合があります。

日中の強い眠気

睡眠中に呼吸が繰り返し妨げられると、睡眠が途中で分断されることがあります。

そのため、

・会議中に眠くなる
・仕事中に強い眠気を感じる
・テレビを見ながら眠ってしまう
・運転中にも眠気を感じる

など、日中の眠気として現れることがあります。

ただし、日中の眠気には睡眠不足をはじめ、さまざまな原因があります。

「眠い=睡眠時無呼吸症候群」というわけではありません。

そのほかにみられることがある症状

日本呼吸器学会では、

・起床時の頭痛
・夜間の頻尿
・日中の眠気

なども睡眠時無呼吸症候群でみられる症状として紹介しています。

症状の現れ方には個人差があります。

どんな人に起こりやすい?

睡眠時無呼吸症候群というと、「肥満の人がなる病気」というイメージを持つ人もいるかもしれません。

確かに肥満は閉塞性睡眠時無呼吸と深く関係します。

しかし、それだけではありません。

例えば、

・首まわりに脂肪がついている
・あごが小さい
・あごが後退している
・扁桃が大きい
・鼻の通りに問題がある

など、気道の形や体の特徴も関係します。

つまり、見た目だけで「自分は大丈夫」と判断することはできません。

寝る姿勢と睡眠中の呼吸については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

▷左向き・右向き・仰向け、結局どの寝方がいちばんいい?体への影響を科学的に解説

自宅でできるセルフチェック|自分で診断できる?

睡眠時無呼吸症候群について調べていると、「セルフチェック」という言葉をよく見かけます。

ただし、自宅でできるのは診断ではなく、気になる特徴に気づくことです。

例えば、次のようなことを振り返ってみましょう。

□ 家族やパートナーから大きないびきを指摘されたことがある

□ 睡眠中に呼吸が止まっていると言われたことがある

□ 十分に寝たはずなのに日中に強い眠気を感じることがある

□ 朝起きたときに休めた感じがしない、または頭痛を感じることがある

□ 夜中に何度も目が覚めることがある

ここで大切なのは、チェックの数だけで睡眠時無呼吸症候群かどうかを判断しないことです。

自宅で分かること・分からないこと

セルフチェックは、病気を判定するものではなく、自分の睡眠を振り返るための目安として考えると分かりやすいでしょう。

特に睡眠中の呼吸停止を指摘された場合や、日中の強い眠気が続いて日常生活に支障がある場合は、医療機関へ相談するきっかけになります。

睡眠時無呼吸症候群はどうやって調べるの?

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、医療機関では問診だけで診断するわけではありません。

睡眠中の呼吸状態を調べる検査が行われます。

簡易検査

自宅などで携帯型の検査装置を使用し、睡眠中の呼吸状態などを調べる方法があります。

使用する機器や測定する項目は、医療機関や検査方法によって異なります。

簡易検査の結果などから、さらに詳しい検査が必要か判断される場合があります。

睡眠ポリグラフ検査(PSG)

より詳しく睡眠を調べる検査が、睡眠ポリグラフ検査(PSG)です。

睡眠中の脳波や呼吸、酸素状態など複数の項目を測定し、睡眠と呼吸の状態を詳しく調べます。

AHIとは?

睡眠時無呼吸について調べると、「AHI」という言葉を目にすることがあります。

AHIは「無呼吸低呼吸指数」といい、1時間あたりに無呼吸と低呼吸が何回起きたかを示す指標です。

日本呼吸器学会では、PSGでAHIが5以上あり、症状を伴う場合に睡眠時無呼吸症候群と診断すると説明しています。

また、

・AHI 5以上15未満:軽症
・AHI 15以上30未満:中等症
・AHI 30以上:重症

と分類されています。

ただし、AHIは医療機関での検査によって評価するもので、自宅のセルフチェックだけで判断するものではありません。

睡眠時無呼吸症候群と健康との関係

睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気だけが問題になる病気ではありません。

閉塞性睡眠時無呼吸は、高血圧や心血管疾患などとの関連が知られています。

ただし、個人のリスクは重症度やほかの健康状態などによって異なります。

また、日中の強い眠気によって、仕事や運転などに影響する場合もあります。

一方で、

「いびきをかいているから将来この病気になる」

「眠いから睡眠時無呼吸症候群だ」

と自分で判断することはできません。

症状が気になる場合には、睡眠中の呼吸状態を実際に調べることが重要になります。

寝ても疲れが残る原因は睡眠時無呼吸だけではありません。

睡眠時間や生活リズムなど、ほかの要因についてはこちらの記事でも紹介しています。

▷「寝ても疲れが取れないのはなぜ?考えられる7つの原因と改善方法」

睡眠時無呼吸症候群にはどんな治療法がある?

治療方法は、睡眠時無呼吸の種類、重症度、原因、体の状態などによって異なります。

ここでは代表的な治療の概要だけを見てみましょう。

CPAP(シーパップ)

閉塞性睡眠時無呼吸で広く使われている治療法の一つが、CPAP(持続陽圧呼吸療法)です。

睡眠中にマスクを装着し、一定の圧力をかけた空気を送り込むことで、狭くなった気道を広げます。

日本呼吸器学会では、AHIが20以上で日中の眠気などを認める睡眠時無呼吸症候群では、CPAPが上旬的な治療とされています。

口腔内装置

患者の状態によっては、睡眠中に下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)が使われることもあります。

誰にでも同じ装置が適しているわけではないため、医師や歯科医師による評価が必要です。

生活習慣や体重の見直し

肥満が閉塞性睡眠時無呼吸に関係している場合には、体重管理などが治療の一部として検討されることがあります。

また、飲酒は睡眠や無呼吸に影響することがあるため、生活習慣について医療機関から指導を受ける場合もあります。

体位療法やその他の治療

睡眠時の姿勢によって無呼吸の程度が変わる人では、体位療法が検討されることがあります。

また、気道の形や原因によっては、口腔内装置や手術など別の治療が選択される場合もあります。

どの治療法が適しているかは、検査結果や原因をもとに医療機関で判断されます。

「横向きで寝れば治る」「体重を落とせば治る」などと自己判断するのではなく、自分の状態に合った方法を確認することが大切です。

睡眠中の呼吸が気になったら

いびきは珍しいものではありません。

また、日中の眠気も睡眠不足などさまざまな理由で起こります。

そのため、一つの症状だけで睡眠時無呼吸症候群と考える必要はありません。

一方で、

・睡眠中の呼吸停止を指摘された
・大きないびきが続いている
・十分寝ても日中の強い眠気が続く

など、睡眠中の呼吸や日中の状態が気になる場合は、医療機関で相談する一つのきっかけになります。

日本呼吸器学会では、呼吸器科や耳鼻科などへの相談を案内しています。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返す睡眠呼吸障害です。

大きないびき、睡眠中の呼吸停止、日中の眠気などがみられることがあります。

ただし、これらの症状だけで自分で診断することはできません。

医療機関では、簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)などによって睡眠中の呼吸状態を調べ、必要に応じて治療方法を検討します。

治療にはCPAPや口腔内装置などがありますが、適した方法は原因や重症度によって異なります。

セルフチェックは「病気かどうかを判定するもの」ではなく、自分の睡眠や呼吸に目を向けるきっかけとして活用すると分かりやすいでしょう。

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参考情報

・日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」
睡眠時無呼吸症候群の原因、症状、検査、AHI、治療などについて確認できます。

・日本呼吸器学会「夜、呼吸、いびきが止まると言われました。」
閉塞性・中枢性睡眠時無呼吸や検査、治療について一般向けに解説されています。

・厚生労働省 e-ヘルスネット「昼間の眠気」
日中の眠気と睡眠・覚醒障害について確認できます。

・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
睡眠障害が疑われる場合の考え方や、睡眠に関する基本情報を確認できます。

 

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